【吃驚です】
「俺達は血液だ、滞り無く流れろ、酸素を回せ脳≠ェ正常に働くために。行くぞ」
「「「あス!!」」」
クロ先輩の掛け声でみんなが気合を入れる。
先輩のこの言葉を聞いたのは今回が初めてではない。初めて聞いたときはそれはもう戸惑った。クロ先輩はちょっと頭がアレなんじゃないのかとも思ったけど、実際に試合を見てその言葉の意味がわかったから別に何とも思わない。
「みょうじ」
『あ、はい!』
直井コーチに手招きされて隣に用意された椅子に座る。私は、バレーについてそんなに詳しくないから、誰がどうやって点を取ったのか誰がどんなミスをしたのかをノートにスコアと一緒に書き込むことしか出来ない。アドバイスなんてもってのほかだ。それは研磨とクロ先輩がこのノートを見て指示を出してくれる。あとは応援するだけだ。
「音駒高校対烏野高校練習試合始めます!!」
「「「しアス!!」」」
始まった試合に何故か私まで緊張してしまう。おかしいよね、私は選手でもなんでもないのに。
サーブは音駒から、研磨だ。難なく相手チームのコートに入った研磨のサーブは烏野のロン毛のお兄さんに拾われて、セッターの手に渡る、そして、
『っえ、』
「!?」
「なんだあ、ありゃあ!?」
「ナイス日向影山!」
「ナ〜イス!」
「田中サーブ」
なに、あれ。速すぎてよくわからないけど、あれ。速攻、だよね?
監督も驚いてるし、普通の人よりも速い速攻なんだろうか。…っていうか、翔陽凄い動いてた。しかもはやい。あと、ジャンプ力凄い。なに、あれ。
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