【頑張りましょう】


時間はあっと言う間に過ぎて、いよいよ明日は今回の遠征のメインでもある烏野との練習試合だ。そして、明日で遠征も終わり。なんだか長かったようであっという間だったな。私はちゃんとみんなをサポート出来ていただろうか。



「なまえ、風呂だって」

『あ、うん』



研磨が私の部屋に来てそう言った。お風呂から出たばかりなのか髪が濡れていて首にタオルをかけている。



『髪濡れてる』

「うん」

『お風呂出たら部屋行くね!』

「…またクロに怒られるよ」

『へいきへいき』



じゃあ、と研磨と別れてお風呂に向かう。
初日にやらかしてしまった私はクロ先輩の提案で、私が眠たくなるまでみんなが私の部屋に居てくれるようになった。けど、もう慣れてきたし、もういいかなってことでお風呂から出たらみんなの所にお邪魔しよう。怒られるのは嫌だからもうあんなヘマはしない。




××




『こーんばーんはー』

「帰れ」

『ひどい!』



部屋に入って速攻でクロ先輩に帰れと言われて若干傷ついたけど、無視して研磨の隣まで行く。



『ゲーム持ってきた』

「やろう」



研磨の横に座って早速ゲームの電源を入れる。もともと研磨が夜に私とゲームしたいと言うのを聞いて遠征行きを決めたから、ゲームは持ってきていた。



「ほどほどにしとけよ」

『はーい』



明日のことについて何か考えているのか、紙と向き合っているクロ先輩に返事をしてピコピコと操作をする。あ、やばい、操作間違えた。うぐぐ、と頑張って抵抗していると隣から「なまえしっかりして」と聞こえてきた。わかってるよもう。



「エリア移動したよ」

『うん』

「時間あと少ししかないから」

『じゃあ私が囮になるから研磨トドメさしてよ』

「ん、わかった」



作戦を立てながら操作していると私達の後ろから「すげー」という声が聞こえてくる。それを聞き流して、研磨に言った通りに行動すると研磨があっさりと倒してクエストが成功する。



『研磨さすがー!』

「そんなことない」

「二人共凄いっすね!」

『走くんやったことある?』

「ありますけど、まだそこまで進んでないっす」

『えー、今度一緒にやろー!』

「えっ、いいんですか!」

『もちろん!』



そう言うと両手を上に上げて喜ぶ走くんが可愛くて頭を撫でてやると、研磨に服を引っ張られて「なまえ、次」と言われた。うん、と返事をしようとした所で頭を軽く叩かれる。



「はい、そこまで」

「明日に備えてもう寝ような」

「…クロ」

『夜久先輩』



後ろを振り返ると、クロ先輩と夜久先輩が立っていて私と研磨を見下ろしていた。いつもなら言い返す所だけど、明日はみんなにとって大事な試合だから大人しくゲームの電源を落とす。



『じゃあ、今日はもう寝ますね!』

「なまえちゃん大丈夫?黒尾に送ってもらう?」

「オイ、夜久」

『いや、もう平気です!』

「そう?」

『はい!では、皆さん明日試合頑張って勝ちましょうね!おやすみなさい!』



皆にそう声をかけるとみんなは笑って返事をしてくれた。
明日、絶対に烏野に勝って東京に戻るんだ。


prev / next



×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -