【ゲーム開始】


『じゃあ、配りますねー』



そう言ってみんなにカードを配る。一人7枚ずつだ。
結局、私と研磨、虎くんと招平くん、走くんと優くん、夜久先輩と海先輩、クロ先輩でやることになった。クロ先輩一人でも怖いな、隣にはなりたくないな。



『はい、どーぞー』

「どれどれ」

「どう、いいのあったか?」

「まあまあかな」



みんながそれぞれ自分のカードを確認して顔をしかめたり、ゆるめたりしている。でもトランプと違ってUNOは逆転しやすいし、そんなに気にすることじゃないんじゃないかなと私も研磨と一緒にカードを見る。



『…へ、』

「…なまえ」



見てみてびっくり。全部黄色だった。そんな馬鹿な。しかもプラスカードなんてものもない。嘘だ…と何度もカードを見てみるけど、やっぱり変わるわけがない。隣から研磨の溜息が聞こえる。



『で、でも、研磨いるし…』

「…無理、普通のゲームと違うし」

『うぐ、』



研磨にカードを持って貰って項垂れると、私の隣に誰かが座る。



「お、もう配り終わったのか」

『……ここに座らないでください』

「は?」

『私の!隣は!夜久先輩と海先輩のチームなので!』

「別にどこでもいいだろ」



必死に夜久先輩に訴えるけど、一向に退こうとしないクロ先輩に夜久先輩も苦笑するだけで動いてくれない。なんでよりによって、クロ先輩なの。しかも、こんなカードなのに。本当にありえない。



『研磨…』

「しょうがないよ」

『研磨に全部任せてあげてもいいよ』

「嫌」



即答された研磨に、私も渋々カードを覗き込む。



「じゃあ、始めようか」



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