【2度目のはじめまして】


「ほら、挨拶」

『…にねん、さんくみ、みょうじなまえ、です』



クロ先輩の影に隠れながらとぎれとぎれにそう言うと「なに緊張してんだよ」とクロ先輩に笑われた。緊張しないわけがないじゃないですか。私が一年生で入部の自己紹介ならわかるけど、私は二年で途中入部なわけだし、やっぱり男の人だらけだし、女の子いないし、肩身がせまい。



「っつーわけで、部活に入ってなくて暇らしいから俺が誘った。今日からマネの仕事やってもらうから一年の仕事がちょっと減るわけだ。良かったな」

「!本当ですか黒尾先輩!」

「でも一人なんだから少しは手伝えよ?」

「はい!」



仕事そんなにあるのかな。私はこの人達の足を引っ張らないでいけるだろうか。
そんなことを考えながらクロ先輩の話を黙って聞いていると、思いもよらないことを言い出した。



「こいつ今は猫かぶってるが、普通に人と話せる奴だからどんどん話しかけろ」

『!?』

「ちなみに研磨の友達だ」

「ちょっと、クロ」



「研磨の友達」という所に過剰反応する部員達に、何故かデジャヴ。あれ、確かクロ先輩のときもこんな感じだったっけな。…ていうか、そうじゃなくて、



『何言ってるんですかクロ先輩!!』

「ホントはこんな元気だから遠慮せず話しかけろよ」

『っく、』



しまった、やってしまった。


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