赤葦くんと二人きり。久しぶりに部活がオフらしく、今日は赤葦くんのお部屋にお呼ばれしています。本当に久しぶりで、さっきから赤葦くんに触れたくてうずうずしている…なんて言ったら変態だと思われるかな。
「どうかした?」
『っえ?』
「ちょっと、様子がおかしいから」
私の顔を覗き込んでそう言ってくれた赤葦くん。もうこの距離には慣れているはずなのに、久しぶりだからか顔が凄く熱い。
『う……えっと』
「何かあるならなんでも言って」
私の頭に手を乗せて撫でながらそう言ってくれる赤葦くんに、目眩すらする。…せっかくだし、お言葉に甘えて言ってしまおうか。困らせちゃうかな。
『あの、赤葦くん』
「ん?」
『ギュってしていい?』
直ぐ近くにある赤葦くんの顔を見ながらそう言うと、撫でてくれていた手が止まって、少しの沈黙。…あ、やっぱり言わなきゃ良かったかな。
「いいよ」
『っえ、いいの?』
「いいよ、おいで」
両手を広げて待つ赤葦くんに少し戸惑いながらも「失礼します」と声を掛けて赤葦くんの背中に手を回すと私の背中にも赤葦くんの手が触れる。ああ、久しぶりだなこれ。嬉しくて赤葦くんを抱き締める腕に力が入る。
「………」
『赤葦くん?』
「…なんか、久しぶりだからかな」
『え?』
「ちょっと、恥ずい」
少し距離を取って赤葦くんの顔を覗いてみると珍しく顔を赤くしていて、私の顔も真っ赤になった。それでも赤葦くんの赤面は貴重だからじっと見ていると「あんま見ないで」と赤葦くんの胸に顔を押さえつけられた。
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