第2話
「うっわ、まじか!」
『え、なになに』
「俺ら三人同じクラス!」
『本当!?』
「良かったな、なまえ」
「石川嬉しくねーの?」
「嬉しいに決まってんだろ!」
『また一年間よろしくね二人共!』
そうやって喜び合ったのが入学式。三人とも同じクラスなのは本当に嬉しかった。不安だった学校生活もうまくやっていけそうだ。 安心したのも束の間、中学では小学校とは明らかに勉強の時間が多い。そんなことは知っていたけれど、レベルが上がりすぎていて少し戸惑う。
「うおお…中学生やばいな…」
『透どうしたの?』
「この間の小テストの点数がやばかったんだって」
「…そういう秀はどうなんだよ」
「ぴったり平均点!」
『自慢して言うことじゃないけどね』
「秀がそんなやつだとは思わなかった!」
『透何点だったの?』
「……笑うから言わねー」
笑わないから教えてよ、と言うけど、透はもうその手には乗らないと首を振った。意味がわからなくて秀に聞くと俺もそう言ったんだけど点数見たら笑っちゃって、と笑って言った。それは秀が悪いよ。
「ってか、順位出されるのほんとえぐいよな」
『勉強頑張らなきゃだよね』
「やる気おきないって」
「お前いつもそう言ってるけど平均点とってんじゃねーか!」
『秀はいいとして、透は頑張らなきゃ矢代さんに怒られるんじゃない?』
からかうつもりでそう言えば透は顔を真っ青にして凍りついた。ほんとに矢代さんに弱いなぁ、優しい人なのに。
「…今度勉強会しよーぜ」
「えー、めんどくせーじゃん!」
『秀この前数学難しいって言ってたじゃんか』
「……あれもう諦めた」
「諦めんな!一緒に頑張ろう!な!?」
『三人でやればなんとかなるかもよ』
「じゃあ、今度の休みに石川の家な!」
「はあ!?勝手に決めんな!」
『透のためでもあるからいいでしょ!』
「…わかった」
渋々と言った感じで了承した透に秀と顔を見合わせて笑った。でも、ほんとに勉強頑張らなきゃな。今もついていくのがやっとって感じだし、透のこと笑えないな。ふう、と溜息を吐くと秀に「そんな心配しなくても大丈夫だって」と言われたけど……秀に言われても全然安心できないや。
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