シンデレラタイムまで



うるさい目覚ましに手を伸ばせば腕が外気にさらされてぶるりと震えた。
カーテンの向こうは明るくて、何となくよい天気だと思う。
そんな今日は、卒業式の次の日。
推薦で進学決まっていた私はセンターも受験もしていなかったからあっさりと学校から手放された。
でもやっぱり華の高校生。
周りの友達が色濃くて(頭も含む)楽しかったのもあってやっぱり寂しいと思う。
もうしばらくは会えないだろうし、一生会わなくなる人だっているのに昨日は何であんなに早く帰ってきてしまったのだろう。
もっと一緒にいればよかった。
そう、いろんなことを思い出していると充電中の携帯が鳴る。
あれ、この着信音。

『もしもし?』

「あ!でてくれたよ堀!」

「家にいく手間が省けてよかったわー」

見なくてもわかるほどにこの三年間ならされ続けた着信音。
いつものメンバーからだった。

『どうしたの?』

「それはねえ、あ、ちょ緑!!」

「もしもーし!変わりました井浦だよ!」

『っはは、相変わらずね』

少しだけ、音量を落とす。
朝にこの声はきついかな。(嘘だよごめんね)

「今みんなで宮村んち集まってるんだけど来ない?」

『っえ、いいの?』

「いいにきまってるでしょー!!」

『じゃあ、いこうかな!』

なまえさん、来るって!という井浦の声に歓喜するピンクやら紫やら黄色やら茶色やら、たくさんの仲間。
卒業してもこの人たちだけは変わらないんだな、とほっとする。
電話を切ったらすぐに着替えよう。
そしてみんなにあって、元気をもらおう。
きっと寂しいのは私だけじゃないんだ。
今日だけかもしれないけれど、高校生気分をあと一日だけください。

みんな大好き!

『お邪魔しまーす』
「「「なまえ、進学おめでとーっ!!」」」
『っ!…ありがとう…!!』





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おーびっとのみかささんより
まさかの進学祝いでした…!
もう、嬉しすぎて禿げます。




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