花より、
『うおー!満開だー!』
「ちょっと。酒運ぶの手伝ってよ」
「それはてめぇの分だろーが」
『静雄は臨也の倍は持ってるのに軽々運んでるよね』
「うるさい。俺は普通だから」
「うっせぇ軟弱」
「一回死ねばいいよ」
喧嘩を始めた二人を放って、目の前の大きな桜の木を見上げる。
『…きれーだねー』
「当たり前でしょ。俺が調べた場所なんだから」
『はいはい、どうも』
「腹減った。食い物」
『えー、もう?もうちょっと桜をさぁ』
「そんな事をコイツに言っても無駄」
「あぁ?死にてぇのかてめぇ」
『おつまみしかないよ』
「おう」
「君は甘すぎるんだよ」
『臨也も飲む?』
「もちろん」
臨也にビールを渡して三人で蓋を開け、乾杯をする。若干静雄のビール缶潰れてる気がするけど……まぁ、いいか。
『来年も来ようね』
「「コイツが一緒じゃなければ」」
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