接キスとか




『よっしゃじゃんけんだな』

「のぞむ所だ」



腕を構える私と、静雄。全てはこのじゃんけんにかかっている。……何をじゃんけんで決めるかというと、



『じゃーんけーん…、』




***




『ぎゃあああ!もう少し遠慮ってものをさぁ!』

「負けたくせにぐちぐち言ってんじゃねぇよ」

『馬鹿!静雄の人で無し!』



……かけていたもの、それは、今日のお昼ご飯。いつも購買で買うんだけど、今日は静雄と私でじゃんけんをして負けたほうが勝った人に奢るというものだった。……結果惨敗。じゃんけんの女神は私には微笑んでくれなかった。ちくしょう。



『…私のお金数秒で消えたんだけど』

「気のせいだ」

『あ!プリンパン!私にも一口』

「い や だ」

『なんで!私のお金で買ったものなのに!』

「負けたんだからしょうがねえだろ」

『私お昼ご飯ない。静雄のせいで』



ぐう、とタイミング良くお腹が鳴る。静雄は私を見てため息をついてから食べかけのパンを差し出してきた。



『く、くれるの?』

「ねぇんだろ、昼飯」

『静雄大好き…!』

「一口だけな」

『えぇー、ケチー』

「そうかいらねぇのか」

『うそ。頂きます静雄様』



さて、一口でどれだけ食べれるかな。私は思い切り口を開けて目の前のパンにかぶりついた。



『うっまい!』

「でけぇ一口だな!」

『んふふ。ごちそうさま!』



静雄は、少なくなったパンを見て少しショックを受けながらもかぶりつこうと口元まで持って行って、手が止まった。



『…静雄?食べないの?』

「っ!」



静雄はいきなり顔を赤くするからどうしたんだろうと思ったけど、静雄は直ぐになんでもないと言ってパンを頬張った。





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