あいすき




『ちょ、ちょっと時間あるかな』

「今むちゃ忙しい」

『え、え…ちょっとだけ!』

「…なんや」



机に向いていた体をこちらに向けて私の顔を面倒くさそうに向く勝呂くん。



「用は?」

『えぇっとです、ね』

「はよう、言えや」

『う、あ…えっと…!』

「あぁ?」



あ、だんだん顔が険しくなってくのがわかる。



『…っみ、水いる!?』

「はぁ?」



な、なにを言っているの私は…!ばかじゃないの!?
言いたいことはこんな事じゃなくて、もっともっと、大事なことなのに…!勝呂くんを見ると彼は、何事もなかったかのように再度机に体を向けている。……あ、もうこの状態のままでいいや。顔みると言えなくなっちゃうし。



『あのね、私ね…えっとえっと』

「……」



こっちを向いてくれなくてもいい。ちゃんと伝えなきゃ。



『私はっ、勝呂くんが……す、』

「……」

『すす、す…すすすっ


好きっ』



あ、やっと言えた…!
伏せていた顔をバッと上げて勝呂くんを見ると、こちらを向いて顔を真っ赤に染め上げていた。それは、もうりんごのように。それを見た私も負けないくらい真っ赤になってしまったのだけれど。





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