星に願いを
『今日は何の日でしょう!』
「は?」
『えっ臨也しらないの?』
「何を?」
「…七夕、だろ」
『おお!静雄知ってた!』
「当たり前だっつの」
「……俺も知ってたけど」
『ってことでさー、みんなで短冊書こうよー』
「この年になってかよ」
「書いても意味ないし」
『えー、ただ願い事を書きたいだけだよ。私が』
「勝手にやってろ」
「俺仕事あるから」
『二人ともひどい!』
まぁ、わかってはいたけどね!
しょうがないなぁ。私が君達の思いを代弁して書いてあげよう。
三枚の短冊を前に置いて適当に二人の願い事を書く。うん。だいたいこんな感じであっているはず。あとは、二人の名前を書いて………よし、できた!
『私が二人のぶんも書いておいたからね!』
「…ちょっと待て。その書いた短冊どうすんだよ」
『え?これから新羅のマンションに集まって七夕パーティーするんだけど。笹があるらしいから、持って行こうかと思って』
「ちょっと、何書いたの」
二人が見せろと言ってきたので私は素直に先ほど書いたものを見せると、二人は目を見開いた。
【ぷりんたべたい しずお】
「…オイ。なめてんのかてめぇ」
『えっ!?違うの!?』
「当たり前だろうが!!」
『えー、だって静雄よくプリン食べてるし…まあ、いいかなって』
「ざけんな!」
「………」
『あれ。臨也のは正解でしょ?』
【全人類と結婚できますように いざ也】
「…犯してやろうか」
『すみませんっした』
黒い笑顔でそう言った臨也はまるで魔王のようでした。静雄はずっと怒ってるし。なんなんだよもう。そんなに怒るなら自分で書けばいいでしょーが。
「っていうか、なんで俺の名前平仮名」
『"いざ"って漢字書けなかった』
「あぁ、そういえば馬鹿だったね」
『なにそれむかつく』
「とりあえずさっきの破り捨てたからな」
『静雄!なんてことしてくれんのよ!』
「お前が勝手に書くからだろ」
「っていうか、自分は何書いたの」
『…見せてやんない』
「あ?」
「は?」
『絶対やだね!さっさと散れ!私は新羅のマンションへ行く!』
「意味わかんねぇ」
「はやく見せろ」
『嫌っていってるじゃん!』
その後、二人にさんざん追いかけられ、へとへとになりながら新羅のマンションへと行き、無事に短冊を飾ることができた。
【ずっと一緒にいられますように】