※諸事情により、お茶会の席はこんな感じになります。□=席 ■=テーブル

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☆☆




「……お茶会?」

『うん。アリスと一緒に!』

「絶対、行かせない」

『え、行くよ。アリス来るもん』



だからアンタは…!
と言っているボリスを無視して屋敷へ向かう。だってアリスとおいしい紅茶が待ってるし。……ボリスを無視すると後が怖いんだけどね。




☆☆




『うはーっ。久々ー』

「………」



結局、ボリスも着いて来ちゃった………まぁ、ディーとダムもいるし大丈夫だよね?おいしく飲めるよね?



『こーんにーちわぁー!』

「…おや、珍しいお客さんだな。私はお嬢さんしか招待していないが」

「俺がなまえを一人で行かせるわけないでしょ」

『あ、アリスー!』



なんか二人で笑いながら見つめ合ってるかなり黒いオーラ出てて怖いんですが。…ま、いっか!



『(アリスがいるから、私の席は…)』



いつも、ブラッドから離れている所に座る私。でもアリスが居るときは、そこはアリスに譲る。…で、私はその向かいに座る………んだけど?



『ねぇ、エリオットいつもと場所違くない?』

「そ、そうか?」

『だって、いつもはブラッドの近くに…』



うーん。まぁ、いっか。もう一つだけ離れた所に席あるし。ダムの隣になっちゃうけど…。しょうがないなぁと思って、パッと席を見ると楽しそうにディーとダムに銃の話しをしているボリス。え、さっきまでブラッドといたのに?



『(はぁあああ!?ちょ、わ…私の席は、)』



くるりとあたりを見回して確認しても残っている席は一つだけ。……あぁ、だからエリオットは…。ぎろりと見ると、気まずそうに耳を垂らしながらにんじんのケーキをちびちびと食べている。…うん。悪いのはアイツだもん。エリオットは悪くない。



『………』

「お嬢さんが此処に座るなんて珍しいな」



白々しい!そう仕向けたのはブラッドでしょーが!わかってるんだから!べーっ、と舌を出すとブラッドが薄く笑う。……いーよ。今日はここで楽しむよ!
カチャリとティーカップを持ち上げてゆっくりと飲む。こういう時猫舌は不便だ。ふーふーと、一生懸命冷ましていると、ブラッドがこちらを見ていることに気付く。



『な、何よう』

「…いや、不便だなと思ってな」

『!そうなの、不便なの。ちょっと冷めたやつが欲しいくらいに』

「それでは紅茶が上手くないだろう」

『どっちにしろ熱いのは飲めないもん』

「そうだな」



そう言って、顎に手を当てるブラッド。何か考え事をするように、ふむ、と言った後、直ぐに何かを思い付いた顔になる。



「此処に少し冷えたものならあるが」

『あ、じゃあそれちょうだい』



ぐっと手を伸ばして取ろうとすると、ブラッドがスッと奪ってしまう。



『いや、それちょうだいって……』

「お嬢さんが私に近付いて取ればいい」

『……はい?』



何を言ってるんだこの人は。私に自殺行為をしろと?……いや、でも紅茶が、久しぶりに飲む紅茶が…。ブラッドの持ってる紅茶おいしいからなぁ。ここは、ぐっと我慢して取りに……行きますか。
渋々と立ち上がって、ブラッドの手から紅茶を奪い取って、直ぐに離れようと背中を向ける。



「待ちなさい」

『ぅにゃっ!?』



いきなり体中に走った衝撃に驚き、あわあわとしながら奴を見ると、手には私の……私の…!



『なっ、何すんの!?』

「おや、お嬢さんはコレが弱いのか?」

『…別に弱くなんか、にゃあ!?』

「……ほう」



うっわぁああああ…!
最悪だ、最悪だよこれもう!ほら、ブラッド上機嫌だし!嫌な予感しかしないんだけども…!



『…お、お願いだからそれはやめて!……ください』

「ん?別に弱くないんだろう?」

『っ!…ちょっとやめろってば!』



バタバタと暴れて逃げようとするけど、尻尾を握られていては力もでない。最悪だ…、と思っていたら、ガン!と発砲音。私とブラッドの間に銃弾が素早く通る。



「何、やってんの?」

『う、あ……ボリス』



やっぱりボリスだよね!相当怒ってますね!………私は怒られるのか、監禁か。



「ってめぇ!」

「いい。エリオット座れ」

「っ、」



直ぐにエリオットが反応したけど、ブラッドが止める。ブラッドは驚きもせずに、ボリスを見ながら笑う。



「お嬢さんに当たったら危ないだろう?」

「俺はあんたを狙ってんだからなまえには当たらない」

『………』



さっきのはかなり危なかったけどね?
はぁ、と溜息をついていると、ブラッドにいきなり腕を引かれて体が傾く。



『っわ、』

「……っ!?」



気が付いた時にはブラッドの膝の上。ボリスが目を見開いてこっちを見ているのが見えた。内心焦っている私の顎にブラッドの手が添えられる。



『な、なにす……っ!?』



私が言い終わる前に頬に何か柔らかいものが当たる。……それが何なのかくらい直ぐに理解できた。反射的に赤くなってしまう私の頬をみて、ブラッドは満足げに笑った。



「……殺す」

「できるものならやってみろ」



やばいね、ボリスぶちギレだよ…!とりあえず、アリスを避難させなきゃ…と回りを見渡してもアリスはいない。ついでにディーとダムもいない。……逃げたのか。
ふと、尻尾を見てみると、もう捕まれていない。チャンスだ、と急いでブラッドから離れてボリスのもとへ走る。いまだにブラッドを睨んでるボリスの腕を掴んで屋敷から出た。……ボリスは無言。



『……あの、ボリス?』

「だから、ダメだっつったのに、あんたは…」



ボリスはそう言うと顔を近付けて、………舐めてきた。



『んわ、ぼ…ボリスっ?』

「どこ、触られたんだよ」

『ど、どこって…っ』



主に尻尾ですが。止めてください。勘弁してください!
少しするとボリスは、舐めるのをやめて小さくキスをしてくる。頬や瞼やおでこなど、



『ちょ、くすぐったい』

「キスされてたから消毒」

『しょ、消毒って…!』



ちゅ、ちゅ、とキスしてくるボリスを止めようとすると腕を捕まれる。……もう、これはどうしようもない。目を開けていると非常に恥ずかしいのでぎゅっと目を閉じたら、口にキスをされた。



『っ!…口にはされてません!』

「だーめ。顔、全部だから。」

『んな…っ!?』



……っていうか、あの!
もう少し場所を考えてくれませんかねぇー!?ここ、屋敷の真ん前なんですよボリスくん!?

私の願いが通じたのか、その後解放された………と思っていたら、部屋まで無理矢理運ばれていった。
…うん。とりあえず、ブラッドは一回死ねばいいよ。







キスの雨


(ブラッドめ…!次会った時は覚悟してろ!)
(は?もう帽子屋さんには会わせないよ?)
(…………っえ?)






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ブラッドの口調、すみま
せんでした!
マユ=リラン様!ネタ提
供ありがとうございまし
たー!(^ω^)ノシ
どうでしょう。ご期待に
そえましたかね…?
随分長くなってしまいま
したが書いていてとても
楽しかったです!本当に
ありがとうございました!

※補足(席順)

  ディー ダム ボリ
ブラ■■■■■■■
  夢  エリ アリ

こんなでした。


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