お化け屋敷を出た後に、軽く食事を取って2、3人に分かれてみんな好きなものへ乗りに行った。ちなみに私は京ちゃんとゆきちゃんとコーヒーカップ。ぐるぐるぐるぐる回しすぎて気持ちが悪くなった。二人は楽しそうに笑っていたけど、私は死ぬ寸前だったよ…。その後も、メリーゴーランドやらゴーカートなどをみんなで乗った。



『次は、どうする?』

「うーん…」

「じゃあ、ジェットコースターとか」

「よっしゃ、れっつごー!!」



走っていく井浦を先頭にみんなジェットコースターへと足を進める。




***




「10分待ちだって、どうする?」

「10分なら待ったほうがいいのか?」

「10分でももったいないような気はするけどな」

「いいじゃない10分くらい」

「じゃあ、待ってる間どうするー?」

「仙石くんの一発芸ー」

「レミ!?」

『あはは!何、どんなのやるの?』

「うわ!仙石さんって一発芸できるの?」



結局みんなで10分間待つことにして、列の後ろについた。みんなでわいわいするのが楽しくて、これなら待ってる間もつまらなくないなぁとか考えていたら、京ちゃんとゆきちゃんが私に近づいてきた。他のみんなはまだ笑いながら話をしている。



『どうしたの?』

「なまえさぁ」

『うん?』

「井浦のこと好きだったする?」

『………』



な ん で す と ?



『は、はい?なんでいきなりそんな話に…』

「ちょぉっと、ねぇ?」

「で、どうなの?」

『………言わない』

「そう、好きなのね」

「好きなんだぁ」

『ちょっと!何も言ってないのに!』



こんな話を井浦に聞かれてしまったらどうするんだとチラリと井浦のいるほうを見たら、まだ話に夢中だった。



「私達にいい考えがあるのよ」

「楽しみにしててね!」

『…恐いんだけど!それに、私好きって言ってないし!』

「顔に書いてあるもん、好きですって」

『書いてないよ!』



その後、二人はにこにこしながらみんなのところへ戻った。なんか嫌な予感しかしないんだけど。



「お、あと少しー」

「10分て結構早かったねぇ」

「会長は結局一発芸やらなかったね」

「最初からやるなんて一言も言ってないけどな」

「もう乗っていいって」

「じゃあ先頭は仙石な」

「なんでだ!!」

「じゃあレミは仙石くんのとなりー」

「じゃあ2番目は私と宮村ー」

「3番目は私とトオルー」



並んでいた順にどんどん乗っていくと、なぜか私は井浦のとなりになった。



『ここの結構落ちるよね』

「やっばい楽しみ!」

『わくわくする!』



私と井浦は楽しみではしゃいでいるけど、前のほうでは仙石くんが何か言っている。大丈夫かな。騒いでいるうちに動きはじめてだんだん上へ上へと上がっていく。



『うっわ、高…』

「仙石さんは大丈夫かね」

『あははー、大丈夫でしょれみちゃんいる、っ』



ガタ、そんな音がした後に真っ逆さまに落ちていくような感覚。



「あぁあああああ!?」



わーという声や、きゃーという悲鳴が聞こえるなかそんな声が聞こえたような気がした。




×××




「し、ししし…!」

「仙石くん大丈夫?」

「ほんと、ダメなんだから。ねぇ?宮村」

「え?あ、そう、だね」

「すごかったねー!真っ逆さま!」

「俺あんな落ちるの初めて乗ったわ!」

「河野さん大丈夫ですか?」

「う、うん。大丈夫」

「あー!楽しかったー!」

『あんなに落ちるとは思わなかった!』



みんなで興奮しながら感想を言い合う。いい終わって少し落ち着いてきたときに京ちゃんとゆきちゃんがみんなに提案する。



「じゃあ、次は観覧車で!」

「そろそろ帰るころだし、最後は観覧車でいいよね?」



…ちょっと待った。"いい考え"ってこれ!?



「決めるのめんどくさいから、お化け屋敷のときと一緒でいいよね」

『…こま「賛成!」ゆきちゃん!』



私の反抗もむなしく、話は進んでいって、本当に観覧車に乗ることになった。…井浦と。嬉しくないと言ったら嘘になるけど、回り終わるまでって結構長いよね?大丈夫かなぁ?




×××




「……」

『……』



いつの間にか、もう観覧車のゴンドラの中だし。無言ですよ。無言。どうしようどうしようと考えているとかばんの中の携帯が光っていることに気付く。
かばんに入れたまま携帯を開きメールを見てみると、差出人は京ちゃんとゆきちゃんからで。
京ちゃん【頑張って!応援してるから】
…何を頑張れと!?っていうか応援してるとか言いながら最後についてるハートの絵文字ハート割れてるんだけど!?
ゆきちゃん【最後まで緑とたのしんできてねー!】
楽しめないよ!現に今無言だよ!どうしてくれんの!



「なまえどうかした?」

『え゛っ!い、いや、なんでも…』



…うまく顔みれない。さっきまで普通にできてたのに。



「…なまえさ、」

『うん?』

「俺と乗るのいやだった?」

『…え?なんで?』

「いや、乗ってからあんましゃべんないし…」

『い、井浦だってしゃべってないよ』

「……」

『……』



…あー。やだなぁ、この空気。もう、言っちゃおうかな。そのほうがすっきりするかもしんないし…。で、でも振られたら、もっと気まずいかな。あと半周あるし…。っだああああ!!もういい!言う!負けたよ京ちゃんゆきちゃん!



『「あのさ!」』

「え…?」

『え…?』



う、うわかぶった



『い、井浦先に言っていいよ』

「いや、なまえからどうぞ」

『いやいや!井浦から!』

「や、俺は後でいいって!」

『う、うーん…。じゃあ、お言葉に甘えて…、えっと』

「うん?」



これは言いにくい。井浦なんか集中して聞いてるし。…さっきまでの勢いはどうした私!頑張れ自分!みんな応援してくれたんだから!
携帯をぎゅっと握り締めて、井浦の顔を見る。きっと今の自分の顔は真っ赤なんだろう。みんながいなくて本当に良かった。



『えぇっとですね…』

「?」



ああ、もう。声震えてるよ私。



『私、い…井浦のこと』

「え、」

『…す「す、ストップ!」!?』



は、ちょ、え…!?
止められた!?最後まで言ってないのに!



『…な、』

「あ、いや…ごめん!やっぱ先に言わせて!」

『は、はぁ!?なんで今のタイミ、』

「なまえがずっと好きでした!井浦と付き合ってください!」

『………はい?』



一瞬井浦が何言ったのかわからなくて、何度も瞬きをしながら井浦を見た。俯いている井浦の顔は真っ赤で…、



『えぇえええ!?』

「……ちょ、今顔見ないで!」

『え、え…。本気で?』

「え…本気で」

『う、嘘だ』

「嘘じゃないって!」



そう言って顔をバッと顔を上げた井浦は、私を見て、真っ赤な顔をさらに赤くした。



「へ、返事は…」

『あ、えと…お、お願いします?』

「疑問系!」

『お願いしますー!』



そんなこんなで、気付いたらもう下に来ていて。みんなに見られたくなかった赤い顔も結局降りてくるまでに熱が消えなかったせいでみんなに笑いながらみられてしまった。






二人で観覧車


(だいせいこーう?)
(あらら、二人とも真っ赤)

(秀、やっと言えたのか)
(え?みんな何の話…?)





----------キリトリ----------
星瑠様!有り難く使わせて
頂きました!リクエストあ
りがとうございます!
書いてみたら長くなってし
まったので、前編・後編に
分けました(^ω^)
気に入って貰えれば嬉しい
です!

今回は本当にありがとうご
ざいました!


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