♯
『せ、征十郎ー…？』
「緑間。今日のメニューについてだが」
「…赤司、さっきからずっと声を掛けられているのだよ
」
「聞こえないな」
『っ、なんで怒ってるの…』
「緑間、すまないが俺の後ろにいる馬鹿に"自分の胸に手を当てて考えろ"と伝えてくれ」
「…だ、そうだが」
『分かんないから言ってるのに…！』
「"それはそれは、お前は俺が思っているより馬鹿だったんだな"と、伝えてくれ」
「…だ、そうなのだよ」
『何かあるなら言ってくれなきゃ分かんないよ馬鹿だから！！』
「"お前が分からなければ意味がない"と、伝えてくれ」
「いい加減普通に話してやるのだよ赤司、俺の通訳などいらん距離だろう！」
「俺は今これまでに無いほど怒っていて、この馬鹿と話す気すら起きないから無理だ」
「…赤司、」
「この際だからはっきり言うが、こいつは俺が注意したことを全く理解していない所か聞く耳持っていない」
「……赤司」
「どうした緑間」
「顔を見て話さなければ分からない事もあるのだよ」
「は？」
『……もう、いい』
「！」
『どうせ、馬鹿だもん、わか、ん…ないし』
「…おい」
『私、征十郎みたいに、頭良くないし、言ってくれなきゃ……征十郎の考えてる事とか、分かんないし』
「………」
『もう、いいや』
「……何が、」
『…"赤司くん"と、別れます』
prev next