♯
『…あ、』
「…あ、」
『どうも』
「どうも」
『えっと、黒子…くん?』
「合ってますよ。よく僕に気付きましたね」
『そりゃ隣に居たら気付くよ』
「…そうでもないですよ」
『そう?』
「気付かない人がほとんどです。稀に気付く人が何人か居ますけど」
『私はその何人かの中の仲間入りだね』
「そうですね」
『他には誰がいるの?』
「…赤司くん、とかですかね」
『あぁ、赤色の』
「知ってるんですか?」
『話に聞いたことあるだけ。有名なんでしょ?遠くからなら見たことあるよ。目に痛い赤』
「…それは、あまり大きな声で話さないほうがいいですよ」
『どうして?』
「…………いや、なんでもないです」
『変な黒子くん』
「……今度バスケ部の練習でも見に来ませんか?」
『え?』
「何処かの誰かのせいで見にくいかもしれませんけど」
『うーん、私黒子くん見付けられるかなぁ』
「大丈夫ですよ」
『うん?』
「……貴女ならきっと、」
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