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『好き、って言うのってどうしてこんなに大変なんだろうね』
「いきなりどうしたんだ」
『だってね、たった２文字なんだよ？』
「……言うのは簡単だろう」
『赤司くんは簡単に言えちゃう？』
「気持ちが入っていない言葉なら」
『いや、そういうのじゃなくってー…。好きな人に言う気持ちが入ってるやつだよー』
「言おうと思った事がないからわからないな」
『…赤司くんに聞いたのが間違いだね』
「黄瀬とかは普通に言いそうだけどな」
『あぁー、あれは論外。言い慣れてるもん』
「ただ、好きだと言うのが難しいのなら言い方を変えればいい」
『言い方？どんな？』
「"月が綺麗ですね"」
『え…？月…？』
「…そうだな、こんな遠回しなら俺は素直に言うが」
『ちょ、ねぇ、月が綺麗ってどういうこと？』
「緑間にでも試してみたらどうだ？」
『えぇ…。凄い気になる』
「お前はもう少し本を読んだほうがいい」
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