♯
『スイカの種だしが上手くできない』
「餓鬼」
『臨也は出来るの?』
「いや、普通出来るでしょ」
『だってさぁ、こう、食べてる間種は口の何処にやれば…』
「噛み始める前に出せば?」
『んー、もう面倒だから飲み込んじゃおうかな』
「いいの?」
『え?』
「種、芽が出てくるかもよ」
『…は、はは!流石に引っ掛からないよ…?』
「あーあー、お腹から芽が出て喉まで伸びてきちゃったりしてねー」
『……臨也』
「何?」
『先に種取って』
「自分でやりなよ」
『だって面倒なんだもん』
「はぁ、もうスイカ食べるのやめたら」
『じゃあ、桃食べよう』
「はいはい、いってらっしゃい」
『えー、臨也も一緒に買いにいこーよー』
「……めんどくさ、」
『はい、手繋ご』
「………」
『臨也何か食べたいものある?』
「何で?」
『私がご飯作ってあげるね』
「…美味しくなかったら食べないからね」
『んふふー、大丈夫だよ』
「何?練習でもしたの?」
『だって臨也優しいから全部食べてくれるでしょ?』
「うるさい」
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