(黄瀬連載)



「…は、」

『……だれ、ですか?』

「何言ってんだよ、黄瀬じゃねーかよ?」

『き、せ…?』

「待て青峰。どうやら様子が可笑しい」

「…赤司くん、これって」



俺の顔をしっかりと見たにも関わらず誰だと聞いてくる彼女に目眩がする。そんな、冗談だとしても笑えない。何言ってんスか?俺っスよ?君と幼なじみの黄瀬涼太っスよ?……君の、彼氏、スよ?



「…彼が、誰なのかわからないか?」

『黄瀬…さん…、』

「っ!?」

「赤司、」

「…あぁ、一度担当医に言ったほうがいいだろう。黄瀬……黄瀬?」

「おい、黄瀬!」



俺の事を苗字で呼ぶその声に目の前が真っ白になった。






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