♯
『勝手にロフト借りて大丈夫なの?』
「だぁーいじょーぶだって!」
『…仙石さんきちゃうよ』
私がそう言っても無視して寝る体制になる井浦。
「ねぇねぇ。井浦と一緒に寝ない?」
『抱きしめないならよしとする』
「はいはい、ここに寝てね」
『(聞いてないな)』
井浦のすぐ隣にねっころがる。ロフトは狭いから、どう頑張っても体が当たるわけで、
『………近くない』
「もうちょいこっちきて」
素直に近付けば、井浦は私の背中に腕を回して抱きしめた。
『結局こうなる…!』
「しょうがないよ。狭いんだからー」
『…ねぇ。井浦胸の音うるさい』
「…気のせい気のせい」
そう言いながら井浦は腕に力を入れた。…それじゃ、もっと聞こえちゃうんだけど。最終的に彼の背中に手を回してしまう私は彼に甘すぎる。
そして、私達は怒られる。
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