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暇だったので、勇気を出して座っているボリスの頬をぺろぺろとなめてみた。
「…は、」
『ボリスがいつもしてくることをやってみました!』
「………」
『どうだ!嫌だろう!これに懲りたら、もう私をなめるのはやめなさい!』
「下」
『…はい?』
「もっと下なめてよ」
なんだコレ。
ヤバい雰囲気じゃないか!?
冷や汗をかきながら、ズルズルと後ろに下がる私を追い詰めるように近付いてくるボリス。どうしようどうしようと考えているうちに背中に軽い衝撃。
『しまったぁああ!?』
「はやくはやく」
『っあのねぇ!頬にするのも結構勇気が、』
「あ、そう?じゃあ俺からするけど」
『それも嫌!』
「あんたからするか、俺からするか。どっちがいい?」
にっこりと笑いながら壁に手をつくボリスにドキドキする。悪い意味で。
『…勘弁してくださいー』
「あんたから誘ったんだから。責任とってよ」
『っく…!別に誘ったわけでは、!』
ない。そう言おうとすると、近付いてきたボリスに頬をなめられた。
『ばっ!?』
「はやく決めなよ」
『〜っ、ボリスの背が高すぎて届かない!』
苦し紛れにそう言うとボリスは直ぐにしゃがんでくれた。
「はい。どーぞ」
『ボリスが私で遊んでる…!』
「別に遊んでないぜ?」
『………』
下から私を見上げるボリスにため息をついて、一回だけ頬をペろりとなめた。
「じゃ、次は首。その次は腹。その次は、」
『…ちょっと待ったちょっと待った!』
一体どこまでなめさせる気だ!
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