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『臨也さーん!』
「…なんでここにいるの」
『臨也さんが居る所に私あり、です』
「意味わからないから」
はあ、とため息をつく臨也さんにうふふと笑う。
「ねぇ、今進路とかで忙しいんじゃないの」
『…まぁ、』
「……ちなみに進路は」
『臨也さんのお嫁さん』
「無理」
『な、なんでですか!』
「俺が嫌だからだよ」
『もしかして臨也さんは独身主義なんですか?』
「さあ?」
『そうですか…残念です』
凄く嫌そうにする臨也さんにプロポーズをし続けて早八年。なかなか振り向いてくれない臨也さんを何故か嫌いになることはなかった。嫌いになる所か大好きになっていた。…言っておくけど私はMではない。
『好きな人でもできましたか』
「……いい加減諦めなよ」
『………』
「あのねぇ、俺みたいなおじさんよりも他にいるだろ」
『っおじさんじゃないですよ!何言ってるんですか!』
こんなにカッコイイ人がおじさんだなんて、誰が思うだろう。
『はぁ、臨也さんカッコイイ』
「気持ち悪い」
『…臨也さん振り向いてくれないかなぁ』
「振り向かないよ。どうやっても」
だから諦めなよ。
そう言う臨也さんにため息をつく。
『私もう臨也さんを好きになって八年ですよ』
「そうだっけ?」
『小学生のときから好きですもん』
「どこで俺を知ったんだろうねぇ」
『…ねぇ、臨也さん』
「なに?」
『私、諦めたほうがいいんですか?』
「……なに、諦める気になったの?」
『諦めるしか、ないなら。最後にお願いがあるんです』
「なに?」
携帯を弄る手を止めて、私を見る臨也さんはやっぱりカッコイイ。好き。大好き。
『抱きしめて、ください』
学校の先生に怒られた。親に怒られた。何をフラフラしているんだ、と。甘ったれるな、と。現実を見ろ、と。
「………」
『臨也さんが好きです』
大好きだから。諦めたくない。だけど、迷惑だと思われているなら、私もさっさと身を引いたほうがいいのかもしれないって、そう思った。だから今日は別れを言うつもりで来た。
『……私には、臨也さんは無理みたいです』
「……なにが」
『臨也さんを落とすのは無理みたい』
「………」
『これからも、臨也さんが振り向いてくれる見込みがない、なら。私は、やめたほうがいいのかなって。臨也さんのためにも……私のためにも』
「ねぇ、」
俯きながら話す私に臨也さんが口を開く。
「それは、」
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