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『誰かを好きになるのって面倒だと思うんだよね』
「は？」
『いや、友達とかの話聞いてて面倒臭いなって。高尾くんはそう思わない？』
「…いや、そんなの考えたこともなかったけど」
『え、そうなんだ。高尾くんそういう相談よくくると思ったんだけど』
「あー…、まぁ、たまにな」
『協力頼まれたりしない？』
「まぁ、ね」
『私も、頼まれたりするんだけど、こういうのって人の力借りて成功して幸せなものなの？』
「んー…」
『私がいなかったら付き合えないくらいの人達が、うまくいくとは到底思えないんだけど』
「なんつーか、難しいこと考えんのね」
『ちょっと前まで好き好き言ってたくせに、相手のことをよく知ってきたら突然冷めるのとか何なんだろうね？そんな簡単に終わってしまうなら、最初から応援なんてしないほうがよかった』
「随分具体的な話だなぁ」
『……高尾くんはどう思う？』
「俺はそんな深く考えずに協力してっけど、そうだなぁ……協力した側としては上手く行ってほしいって思うけど、所詮他人事だから結局はどーでもいいのかもな」
『あれ、高尾くん意外と淡白なんだ』
「一緒でしょ」
『私も、そうなのかな』
「話を聞く限りは」
『…本当に、応援してたんだよ始めは』
「うん」
『なんかさ、相談とか受けてるうちに"好き"って言葉が凄く軽く聞こえちゃってさ。そりゃ、私達まだ高校生だし、恋愛と言っても何か一種の遊びみたいなものなのかもしれないけど、それでも私はその"好き"って言葉や、気持ちをもっと大切にしたいって思うの、おかしいかな』
「別におかしくないっしょ、寧ろ普通じゃね？よく結婚とかそういうの言うやついるけど、はっきり言って高校で付き合って、結婚まで持っていく可能性は高くねぇじゃん？そういうの俺もちょっと、おっかしいなーとは思うし」
『高尾くんもそういうの思うんだね』
「あれ、イメージ崩れちゃったりした？」
『ううん、逆。良くなった』
「そりゃ良かった」
『いつもみたいにヘラヘラしてるのよりいいや』
「それはそれで傷付くなー」
『あー、なんか人に言ったらすっきりした。ありがと高尾くん』
「いやいやいや、俺別に何もしてないし」
『それでも話せて良かった。同じ気持ちをわかってくれる人がいて』
「ん。話いつでも聞くから」
『うん、ありがと』
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