(静雄)




「○ッキーゲーム?」

『ポッ○ーゲーム』



なんだそれ、と首を傾げる静雄。やだ、なにこの人超可愛い。



『えっ!ポ○キーゲームも知らないの静雄!』

「?知らねーけど」

『あのね、毎年11月11日は、全国民がポッ○ーゲームをしなくちゃいけない決まりというものがね、』

「いや、嘘だろそれ」

『なぜばれた』

「生まれて20年経つけど、そんな話一度も聞いたことがねーからな」

『あ、さいですか』



で、ポッ○ーゲームって何だよ。
もう一度そう聞いてくる静雄に、ポッ○ーゲームとはなんなのかを教えてげた。



「へー」

『それでね、静雄』

「やらないけどな」

『まだ何も言ってないんですが…!?』

「絶対やんねぇ」



そう言って煙草に火をつける静雄。……こんなに素っ気ないけど、一応付き合ってます私達。いいじゃないか、別にポッ○ーゲームくらい!もっと心の広い人にならなきゃ駄目だよ静雄くんよ!



『なんで?』

「なんでも」

『恥ずかしいから?』

「ばっ!ち、違ぇよ!」



大きく口を開けてそういった静雄の口から煙草が落ちた。違うって言いながら、顔真っ赤じゃないか、可愛いなぁ。静雄可愛い。



『わかった!じゃあ、ポ○キーゲームはやめよう!』

「…あぁ」

『そのかわりにキスで』

「ぶっ!!」



もう一度新しい煙草を出して口にくわえていた静雄は、また煙草を落とした。勿体無いなぁ。



「何言ってんだお前…!」

『え、駄目?』

「っ、駄目じゃ、ねぇけど」



そういいながら赤い顔を隠そうと口に手を当てる静雄。全然隠しきれてないんだけどね。静雄の正面に回りこんで下から静雄を見上げる。



『静雄とちゅーしたい』

「っ!」



今度は耳まで赤く染まった静雄。私から視線を離して少しすると、片方の手を私の頬に当てて、背を屈めてキスしてくれた。



『えへへ』

「満足かよ」

『うん。静雄は可愛いね』

「うれしくねぇ!」

『静雄は世界で一番かっこいい!』

「!?」



やっとおさまってきた頬の色を、もう一度赤く染め上げてあげた。






♯ポッ○ーなんかなくたって


(静雄はかっこかわいい)
(…なまえは可愛い)
(し、静雄…!)




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