(臨也) 「なまえさぁ、俺と付き合う気ある?」 『……え?』 突然の告白に、思わず持っていたコップを落としそうになる。……危ない危ない。 『な、なんですか急に』 「別に急にじゃないよ?前から言おうと思っててさ」 いつもみたいにパソコンを見ながらじゃなく、しっかりと私の目を見て話す臨也さんにドキドキする。 臨也さんのことは好きだ。もちろんLikeじゃなくてLoveの意味で。だけど、付き合ったらきっと私は嫉妬もたくさんするだろう。臨也さんよく女の子と話すもんな。そういうとき嫉妬してしまって臨也さんにうざかられたりしたら嫌だ。 『わ、私は…』 「うん」 どうしよう。なんて言おう。私も好きです!って言っちゃおう、かな…。うん、言っちゃおう!嫌われたらなんて考えるのはやめにしよう! 『っ私も臨也さんが…!』 「っぷ」 私が口を開いたのと、ほぼ同時に聞こえた臨也さんが吹き出す声。え、と思って臨也さんを見るとお腹に手を回して爆笑していた。 『…え、なんで笑うんですか』 「っあはは!ごめんごめん!いやぁ、気付くと思ってたんだけど……もしかして今日何の日か知らない?」 『きょ、今日ですか…?』 今日、なんかあったかな。ていうか今日何日だったけ。携帯を開いて日付を見て、10秒くらいで理解した。 『ま、まさか…!』 「気付いた?今日エイプリルフールなんだよね」 『じゃあさっきのは!?』 「もちろん嘘だよ」 『なんて悪質な…!』 「今日はどんな嘘ついたって許されるからねー」 はっきり言って、臨也さんはエイプリルフール関係なく毎日のように嘘はいてる気がしますけどね。……それにしても、さっき言わなくてよかった!好きだなんて言ったら馬鹿にされてたね。絶対。 「あ、ところでさっき何言おうとしたの」 『……ノーコメントで』 「言ってみなよ。俺の気が変わるかもよ」 『気が、変わる…?』 私が不思議そうにそう言うと、臨也さんはにっこりと笑って「俺がなまえを好きになるかもしれないってこと」と言った。 『…私さすがに二回も騙されませんよ』 「嘘だと思う?」 『思います』 「さぁ、どうだろうねぇ」 パソコンに視線を移してそう言う臨也さんの言葉が嘘なのか、本当なのか、私には全くわからなかった。 #本当の事を教えてよ (どっちなんですか…!) (自分で考えなよ) ×
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