*くっきー(静雄)




『っあ゛―――!!!!ダメだあ!!』

「いつまでそうしているんだい?」

[すまない、なまえ。力になれなくて…]

『ううん、セルティのせいじゃないの!全ては私が下手くそなせい!』

「早くしないともう、静雄来るんじゃないかな?」

『えっ、もう!?』

[と、とりあえず、今出来ている奴だけ焼こう!な?]

『う、うん…』



あぁ、こんなことならもっと練習しておけば良かった。練習さえしておけば楽勝で間に合ったのに…!
…新羅の家のキッチンを汚くしてしまって本当にごめんなさい。もっと綺麗なはずだったのに、なんでこんなに薄汚くなっちゃったんだろうね



『あ、あと一分で焼ける…!』

[あぁ!もう、静雄が来ちゃうじゃないか!]

「焦ってるセルティも可愛いよ!」


ピンポーン、


「[『!!』]」

「あ、入ってきていいよー!開いてるから」

『あ、焼けた!』

[早く皿に盛り付けよう!]

『あっつ!!』

[あぁ、なまえきをつけろ!]

『うん…!』



急いでお皿に盛りつけて静雄の所へ行った。



『い、いらっしゃい!』

「おう」

[静雄。入ってきてくれ]



あぁ、と言って静雄が入ってきた。

(わ、わ。まだ、味見してないのに…!!)

そんな思いもむなしく、静雄はあっさりとクッキーを見つけてしまった。



「なんだこれ?」

『いや、あ、あのね?まだ味見とかしてなくって…。ちょっと待って、私が味見するって、ああ!!!!』

「…?」

『ちょ、味見するって言ったのに!!!』

「?…あぁ、ちょっと待ってろ」



静雄はそう言って、もぐもぐと口を動かした。私は頭にはてなを浮かべ、静雄が食べ終わるのを待った。そして、静雄は食べ終わるとこちらに顔を向けて、



『っ、ん…!』

「、は…甘ぇ」

『ちょ、静雄!?』

「味見だろ?」



今度は静雄が、はてなを浮かべた顔で見てきた。
私のほうが混乱中だからね!!



[お前らは少し場所というものを…]

「いいじゃないかセルティ。あの静雄が恋をしてるんだよ?すごくおめでたいよ!!…さて、僕らも愛を育むためにベッドへい、ブフっ!!?」






―あれ?砂糖入れすぎた?―




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