(井浦)


『秀はさぁ、クリスマスなんか欲しいものあるの?』

「え?何々、なんかくれるの?」

『どーしよーかなーって』

「なまえからならなんでもいいんだけどー。…まぁ、強いて言うならなまえが欲しい」

『無理』

「即答かよ!!傷付く!!」

『粘土の彼女とヤってればー?』

「えぇ!?なまえと俺って付き合ってるんだよね!?」

『………え?』

「えぇええっ!?嘘!!付き合ってるんだよ俺ら!!」

『あ、そうだったんだ』

「なんで忘れてるんだよ!!」

『嘘だよ。』

「えぇー…」

『一人で騒いでて面白かった!』

「………」

『あ、拗ねた?』

「…べっつにー?」

『大丈夫だよ。ちゃんと好き。…ほら、ぎゅってしたげる!おいで』

「………」



私がそう言うとそっぽを向いていた秀がちょこちょこと歩いてきて、立て膝をしている私の腰に抱き着いた。

…可愛い!!



『ぎゅうっ!』

「………」



秀は何も話さないけど、私の体をぎゅうぎゅうと抱きしめて離さなかった。



『…秀?機嫌直った?』

「………まだ」

『……しゅう、秀?顔上げて?』

「…ん」


ちゅっ


『……直った?』

「なっ、直った!!」

『ふふ。顔あかーい』

「っ、普通なるから!!」

『照れうらだ!』

「〜!」

『もう一回…する?』

「………する」

『っ、んんっ!?…っふ』

「あれ?なまえ真っ赤だけど」

『っ〜…ばか!』

「真っ赤ー。りんごみたい!!」

『りっ、りんごよりは赤くないし!』

「そう?」

『……。あげてもいいよ…?クリスマス』

「は、え?それはどういう…?」

『もう、言わないから!!』



私はそう言って、秀の胸に顔を埋めた。



「なまえ可愛い!!」

『っるさい!!』







メリークリスマス!


(わ!なまえだいたーん!!)
(…見つかったらやばいよな、コレ)
(ちょっとお!トオルがデカすぎて見えない!!)
(二人とも真っ赤だ)

(…あれ?皆さんなにしてるんですか?)

(お、明音!こっち来なよ)
(柳…?メガネはどうした)
(あ、それが…メガネ忘れちゃったのにコンタクトがですね…)
(うわぁああ!こっち来るな、柳っ!!)
(え?、わ…わわっ!!)


ガッシャーン!!


(((((…あ)))))

((………))




×