(臨也)


【妊娠しちゃった】




『臨也ぁー』

「なに。今忙しいんだけど」

『チャットのどこが忙しいの』



臨也はパソコンをカタカタと打ち続けている。
今日はせっかくのエイプリルフールだしさ？
嘘ついてみたいじゃん？すごいヤツを。だけど、臨也だと簡単には引っかかってくれなさそう…。なんか臨也でも信じてしまうようなリアリティのある嘘はないだろうか。

…んー。

あ、そういえばっ!!



『臨也、大事な話があるんだけど…』

「えー？」

『あ、あのさ…驚かないでね？』

「なに」



（あ、やっとこっちを向いた。）
臨也の真正面まで歩いて、私は口を開いた。



『あ、赤ちゃんできちゃった』

「!?」



うわぁ、おもしろい顔…。
これは、信じてる…よね？
だって臨也、すごい目見開いてるもん

嘘、なんだけどなぁ
この前臨也としたときに出されてむかついたのを思い出したからこの嘘を思いついたんだけど…。



「……それってさ、この前の？」

『そうだよ！だからダメって言ったのに！』



おぉ!!私名演技じゃない？
これなら嘘でもほんとに聞こえるよね!!

でも、もうばらしてもいいかなぁ。臨也の驚いた顔みたらもう満足できたし



「じゃあなまえ結婚し『嘘でしたぁー!!!』」

「は？」

『…え？』



え？臨也なに言いかけた？
け、結婚…!!?
あ…わ、私なんていうタイミングで言っちゃったの!!



「…嘘なの？」

『すみません。嘘です。赤ちゃんなんていません』

「……あっそ」

『あ、ねぇ、怒った…？』

「別に？」

『う、嘘だぁ！怒ってるじゃん！』



なんとか機嫌を直そうと臨也の近くに行って顔を覗き込むように見ると



『え…』

「っ、なに」

『…顔真っ赤じゃん』

「はぁ？目おかしいんじゃないの？」

『照れてるー！臨也が照れてるー!!』

「ちょ、ま…!!」

『波江さぁ――――ん!!!臨也が照れて、むぐっ』

「…なまえ馬鹿でしょ」

『ふ、あははっ!!臨也可愛いー!!』

「いいかげんに、」

『嘘ついてごめんね？プロポーズは今度ちゃんと聞かせてよ！』

「……絶対言わない」







＃照れてる君も好き


（臨也が照れるなんて超レアですよ）