小さな黒猫。

仙蔵が猫だったら、私は何になるのだろうか。仙蔵には、私がは何の動物に見えるのだろうか。気になる。何だろうな。
仙蔵は布団で寝そべる私のそばでぺったりと寄り添うように寝ている。それはまるで、猫みたいに。

私はそんな仙蔵が可愛いし、愛しい。
普段見せる仙蔵の姿と言えば、容姿端麗、冷静沈着、頭脳明晰、そんなところだろうか、まず人に甘えることはしない。みんなから頼られる優等生の立花仙蔵だ。
でも私の前では違う。布団の上で、真っ赤になりながら時々下手にも、私を求める様は流されてしまいそうになるくらい、可愛い。
一旦、たがが外れると躯全部で甘えてくれる。
前は私の一挙一動にオロオロして、どうしてよいかわからず泣いていたが、今は私が仕込んだ通りに甘えたり、焦らすような真似もするようになった。
でも、どれも仙蔵の純粋さが滲むような愛し方で、私を不安にさせない。
終わったあとも、私から躯を離すことなく眠らせてくれる。仙蔵と眠るようになってから悪夢を見ることが少なくなった。
稀に見たときも、目を醒ますと仙蔵は私の手を、指を握っていて、悪夢を幾何か薄れさせてくれる。

何時か、どんな形であれ終わりがくると思うと胸が苦しくなる。


(ああ、これが、罰か。)


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