「僕に踏まれたい?踏んで蹴って罵って嘲ってあげようか。ねえ、お望みなら全部してあげる。大丈夫、優しくしてあげないから」
「やぁ…!い、いたい、いたいっ…!」
「や?嫌だ?まさか。そんな風に笑ってるのに、嫌だなんて思ってないよねえ。踏まれたいんだろう?ねぇ、三郎、こっち向いてよ」
優しい優しい顔で。
いつもの、優しい目で。
「好き」と言い乍ら、私の喉を踏む。
床が冷たい、雷蔵の裸足もひやりとしていて、背中がぞくぞくと震える。
「可愛いね、本当に。好きにならずにいられないよね、みんな三郎だけを特別に愛したくなるよ、僕みたいに」
倒れた私の頬を両手で包む様にして、雷蔵はにっこりと笑った。
「でも三郎は僕だけのもの」
「…らい、ぞ」
「そろそろ、それ抜いてあげようか?手も解く?赤くなってるよ、痛いでしょ」
そんな事言ってる癖に、目は笑ったまま。
「それとも、」
「ひッ、あ、ぁぁ…!」
「もっと深い方がいいかな」
「やめ、ぬっ、抜いて、」
「やだ」
「雷蔵っ、らいぞ、おねが、い、…」
「なあに?」
ああなんて屈辱。
けれど、
「…挿れ、て…!」
なんという快感。
羞恥心さえ気持ち良い。
「…三郎は、僕が初めてって言ったよね?それほんと?淫乱すぎない?嘘だったらさあ、コレ切っちゃうからね」
「いた、いっ、ぁあ、あ、あっ」
「ねえ」
「は、初めてっ、だれとも、してな…!」
「よかった。」
こんな事、雷蔵以外の誰かにさせる訳がない。
綺麗な目で、暴く様に見つめられるのが好き。栗色の髪が、はらはらと顔に触れる時が好き。細く長い指先も、体温も、全部、好き。
「んぁ…は、あッ!」
「…このまま、溶けてひとつになれないかなぁ、」
「らいぞっ、ぅあ、」
「…三郎」
繋がったまま、ゆるゆると首を絞められる。もしもこのまま、今この瞬間のまま死ねたら、ひとつになった錯覚で地獄まで行けるだろう。
「三郎、」
雷蔵の目から、涙がひとつ零れた。
「お前に逢えてよかった。」
いっそ殺したい程愛してる。