鮫島校長に挨拶を済ませ、校舎内を歩き回る。
そして中庭に出たとき大きなワニとテンガロンハットを見つけた。

『ジム!』
探し人は中庭で寛いでいた。
露樹がその背中に声を掛ける。

「ん?…Oh!その声は露樹か!こっちに来てたんだな!」
ジムがくるりと振り向いた。

『久しぶり!…って言ってもあんまり経ってないけど。元気にしてた?』

駆け寄って再会のハグをする。

「オフコース!もちろんさ!この島もデュエリストも素晴らしいよ!」

『気に入ってもらえてよかった!』

「ところで、今日こっちに来るって何故教えてくれなかったんだい?」

『こっそり忍び込んだ方が面白そうだったから、何も言わなかったの』



「あはは、何だか複雑な心境だなあ。」
遠くから、楽しそうに会話をする二人を見て吹雪が苦笑いした。

「どうしてだ?吹雪さん」

「うん?…ん〜、なんていうか…妹が男と仲良くしているのを見せ付けられている兄の心境というか…。」

「ふーん?でも吹雪さんと露樹さんは同級生なんだろ?妹じゃないじゃん」
十代が下から吹雪を見上げた。

吹雪は優しく十代の頭に手を乗せた。
そしてぽんぽんと叩く。
「露樹は確かに同級生だけど、年下だからね。
出会った当時は今より外形も中身も幼かったし、僕も亮も露樹をどこか妹のように思っていたよ」

「へー…1歳しか離れて無くても?」

「たかが1年されど1年…だよ、十代くん。…それにしても、綺麗になったなあ…露樹」

十代に優しく笑いかけると、会話を弾ませている露樹達を見詰め、呟いた。。

ーーーーーーーーーーーーーー


『それじゃ、今日はもう帰るね。荷物の整理とか、明日の準備しないといけないから』

日が傾き始める頃、アカデミアの校門に集まっていた。

「また明日な!」

「明日は俺とデュエルしてくれよ!」

ヨハンと十代が手を振った。

「僕は露樹を寮まで送っていくよ」

『ありがと、吹雪。それじゃあね!ジムもまた明日!』

「また明日!」

吹雪と露樹が背を向け、行ってしまった。
「さて、オレもカレンと散歩でもしてくるかな」

「俺達も行こう、十代」
ヨハンが肩を叩いた。

「おう!レッド寮でデュエルしようぜ!」

「それじゃ行くか。またな、ジム」

「またな!」

「ああ、また明日会おう」


手を振り合い、二手に別れた。


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