※注意
203Q後の青黄捏造話です!!


























上着が濡れるのも構わずにこいつの頭を自分の肩に押し付けた。今も昔もよく泣く奴だけど、今日の泣き顔だけはどうしても誰にも見せたくなかった。こいつの泣き顔を見ていいのは、いつだって俺だけだ。


「勝ちたかった…」


嗚咽混じりに聞こえた言葉がさくっと胸を刺す。勝ってほしかった、なんて言わない、言えない。


「うん」


ぽんぽんとあやすように背中を優しく叩く。


「黒子っち達に…誠凛に勝ちたかった…」
「うん」
「海常を…勝たせたかった…」
「うん」


勝利への執着をぽろぽろと吐露していく。それに合わせて嗚咽も酷くなる。


「あんたは帝光のエースとして、チームを勝たせるのに貢献してて…俺は海常のエースなのに…勝たせれなくて…まだまだ力不足っスね…情けなねえ…」
「情けなくなんかねえよ。お前もテツや火神も本気でやってこの結果なんだ。お前は海常のエースとしてちゃんとチームに貢献してたよ」


背中を優しく叩いて手を腰に回して、ぎゅと抱き寄せる。


「でも…負けちゃったっス」


弱々しい声が鼓膜を揺らす。


「そうだな…でも次は勝つんだろ?」
「うん…絶対勝つ。負けないっス…」
「じゃあ俺と1on1すっか。強くなって一緒にテツと火神、倒そうぜ」
「なにそれ…俺と青峰っち学校違うじゃん」


ふふふ、と可笑しそう、嬉しそうに黄瀬が笑う。


「いいんだよ、そんなの」
「うん…そうっスね…青峰っち」
「なに?」


肩口に埋めていた頭をもたげて黄瀬が視界を埋める。泣いた顔もきれいだな、なんて思いながら涙の跡が残る頬を両手で包み、はらはら涙を伝わせる目尻を親指で拭った。


「青峰っちぃ〜」
「どうしたんですかー?黄瀬くーん」


嗚咽声が甘ったれた声に変わる。頬を包んだ俺の手に自分の手を重ねて黄瀬がちゅっと口付けてきた。まったく、自分から公共の場で恥ずかしいことすんのは嫌っスって言うくせに。なんなんだ、ちくしょう、かわいい奴め。


「ありがとう」
「…おう」


額をこつんと重ねてお返しとばかりに俺は口に吸い付いてやった。


今度は一緒に勝とうよ



(20130305)


--------
黄瀬くんお疲れ様!!
青峰くん、たーっぷり甘やかしてくれることをわたしは願います(`σ///σ)


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -