好きな人に合わせて自分の進路決めるなんて、自分でもばかだと思ってる。昔の俺なら絶対しない。それでも俺は桐皇にいくことにした。青峰っちを追いかけて。


だってしょうがないじゃん。好きで好きでどうしょうもないんだもの。
もう俺の世界には青峰っちしかいないし、青峰っちの居ない学校いったって退屈過ぎて、多分死んじゃう。多分じゃないな、きっと絶対死んじゃう。


でもね、時々これでも後悔するんスよ。青峰っちを追いかけて桐皇きちゃったこと。
俺の好きな青峰っちはバスケが大好きな青峰っちで、今の青峰っちはバスケが楽しくなくて嫌になってる。俺の好きじゃない青峰っち。1on1もやってくれない、試合しか出てこない、その試合すら遅刻してくる、試合がおもしろくないとすぐ俺に交代しろって言ってくる、どんどんどんどん腐って堕ちていく。あーあ、なんで追いかけてきちゃったんだろ。俺も黒子っちみたいに桐皇以外の学校いって、強くなって試合で青峰っちが少しでもバスケを楽しめる存在になるための道に進むべきだったかな。その方が喜んでくれた?もっと俺のこと好きになってくれた?ねえ、青峰っち。







「残って練習するなんて、とんだバスケばかだな」


ゴールリングにボールが沈むのを見てから声のする方に振り返った。バスケばかだったあんたに言われたくねえっスよ、と心の中で毒づいて落ちたボールを拾いに行く。


「相手してやろうか?」


中学時代なら犬みたいに尻尾振って喜んだ言葉も今じゃ嬉しくも何ともない。
青峰っちは強い。俺はまだ勝てない。勝ちたい。強い人とバスケするのは好き。だけど青峰っちと1on1はしたくない。バスケが楽しくない青峰っちと1on1やったって楽しくない、やる気なんて出ない。


「遠慮しとくっス」


ボールを籠にしまい体育倉庫にしまう。ぐいりと急に腕を強く引かれ、すぐそこにあったマットレスに身体が落ちる。俺をマットレスに押し倒し組み敷いた青峰っちはにやにや笑ってる。この笑い方はあんまし好きじゃないんスよね。


「…退いてよ」
「あ?やだね」


首筋に顔を埋め服の裾に手を差し込んでくる。今日はここでヤるんスか、なんて聞かない。聞くだけ無駄だとわかってるから。青峰っちは俺の気持ちもお構い無しにいつでもどこでも構わずにセックスをする、発情期の犬みたいに。


「…汗、かいてるっスよ」
「別に構わねえよ」


どうせこの後もかくんだし、なんて耳に吹き込んでくるのが憎い。だけどその何倍も求められれば簡単にあんたを受け入れてしまう自分が、どうしようもなく憎い。好きなんだから仕方なくね?なんて俺の中の誰かが囁く。はあ、ほんとばかっスよね、俺。







「んっ……は、ぅあ」
「…顔、見せろ」


顔を隠すようにがっちりと覆い被せた腕を強引に解かれ、目がばちりと合う。


「いい顔してんな、りょーたくん」
「っ、うっせー…す」


あんただっていい顔してるっスよ。結構切羽詰まった顔しちゃってさ、人のこと言えないんスから。まあでも確か最後にセックスしたのって、1ヵ月くらい前だっけ?あれ…そんなにしてなかったっけ?つーか最近、恋人らしいこと一つもしてなくないっスか?ほんとに俺たちお付き合いしてるんスかね。あー、何か悲しくなってきた
なんて感傷モードになってたら集中しろと耳を噛まれた。痛い、と言って胸を押して抗議すれば、耳元で自業自得だろって鼻で笑われる。青峰っち、なんだか楽しそう。


「あっ、やばい、そこだめっ、んあ」


いいとこを突かれて脇に置かれた青峰っちの手の甲に爪をたてる。


「素直じゃねーなー」
「あっあっ、だめ…だめだって…やあ」


出口まで引き抜いて、いいとこめがけて勢いよくがつんと突かれる。そうやって腰を打ち付けられる度にきゅっと瞑った瞼の裏側で星が散る。腰の奥がぐずぐずに溶けたように痛い。


「ひああ、イっ、く…イっちゃう、イっちゃうすよぉ、あおみねっち」
「いいぜ、イけよ」


右膝裏を持ち上げられ肩に担がれる。挿入が深くなり、もっともーっと奥まで青峰っちが入ってくる。これはやばい、気持ち良すぎる。青峰っちも射精が近いのか、前後のピストン運動が速くなる。


「ん、あっ…ああ!!ぅあっ」
「っ、」


身体が大きくぶるりと揺れ、膨れあがった俺のペニスから精液が飛び出す。それを追うように青峰っちの精液が腹の中でじんわりと拡がっていく。あつい中にあついあつい精液が注がれて、腹の中があつくてあつくて仕方ない。ほんと溶けそう。なんだか幸せな気分になってきた。


「きせ…」


額にくっついた前髪を掻き上げられ、青峰っちのそれが重なる。


「…好きだ」


あー…やっぱり桐皇きてよかったかも。



ばかですけど何か?


(20130213)


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2万打企画でフリリクしてくださった結木さまに捧げます。
桐皇青黄で裏という素敵なフリリク、本当にありがとうございました!!
桐皇青黄はいつか書きたいなと思っていたので、この機会に書かせて頂けて嬉しかったです。
個人的な意見として、桐皇青黄はとにかくえろくて付き合ってても付き合ってなくてセフレでも不毛な関係だと思うんですよ!
だれか不毛な関係桐皇青黄ください


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