「く…くろこ、ち…あっあっ、そこだめっ」


いやいやと黄瀬くんが頭を左右に振ったので、鎖と手錠がかしゃかしゃとなりました。


「…視線外していいなんて、言ってませんよ?」


首輪についた鎖をぐいりと引っ張って、こちらに顔を向けさせてあげます。かちりと視線があったのでにっこり笑ってあげれば、ぼろぼろ泣きながらぼくの名前を何度も何度も呼んでくれました。涙と汗でぐちゃぐちゃな顔はお世辞でもきれいとは言えません。これがモデルの顔なんですか、と聞きたくなるくらい汚い顔してますよ。


「ここ、踏まれて気持ちいいんですか?」


椅子に座ったぼくを見上げる黄瀬くんはぶんぶんと縦に頭を振りました。ふふ、さぞ気持ちいいのでしょうね。正座の状態で左右に開いた脚の間には、ぼくの愛撫で痛いくらいに起立したペニスがとろとろと体液を流しています。それを拭き取るように白いソックスを履いた右足で裏筋を這ってあげれば、彼は喉を反らして高い嬌声をあげました。いい声で鳴くでしょう?
膨張した亀頭をつま先でつついと突くと、ひん、と鳴いて達してしまいました。待てのできない悪い犬なんです。
絶頂の余韻でかくかくと小刻みに震える姿はまるで小鹿のようで、ぼくがライオンだったら今頃喉元に噛み付いて息の根を止めて美味しく食べてしまっているところです。よかったですね、黄瀬くん。ぼくもきみも人間で。


「黄瀬くん…」


名前を呼べば閉じていた瞼が上がり、情欲に染まった瞳にぼくを映します。すっと愛撫していた足を持ち上げ、彼の顔の前に精液で汚れたソックスを差し出すと、器用に口を使ってソックスを脱がしてくれました。足の甲を彼の頬に滑らせ、顎のラインを撫で上げて、唇をつま先でノックして、


「舐めてください…」


と告げれば、薄く口を開け赤い舌を覗かせました。ちろちろとミルクを舐める子猫のようにつま先を舐めたり、足の裏をべろりと舐めあげたり、足の指を一本一本しゃぶったり、上手にぼくの足を舌で愛撫してくれます。口の中から足を抜き、彼の唾液でべたべたになったそれでもう一度黄瀬くんのペニスを踏んでやりました。ぐりぐりと踏み潰すように、強く強く。悲鳴に近い声をあげ、痛い痛いと泣く黄瀬くん。躾ですよ、と言えば唇を噛み締めて痛みに耐えていました。


「よくできました」


散々蹂躙したのに、今度は勝手に達しなかったので褒めてあげます。よしよしと頭を撫でてあげれば、お願い、挿れてと懇願してきたのでご褒美に挿れてあげることにしました。


正座を解かせ、俗世で言うM字開脚をさせれば秘部が丸見え状態です。ひくつくアナルに指を埋め込ませていきます。ローションなんて必要ありません。黄瀬くんの体液だけで十分なんですよ、すごいでしょう。中を拡げるように指を動かせば、ん、とか、あ、とか鳴きます。ふふ、かわいらしい。でも、もっとかわいく鳴けますよね、黄瀬くん。前立腺をくりくりと刺激すれば、ぼくの好きな声で鳴いてくれました。


「あああっ、くろこっち、だめえええ、やあぁ」

「だめじゃないでしょう?」


2本だった指を3本に増やし、中を掻き乱します。ぐちゅぐちゅと卑猥な音と黄瀬くんの甘い嬌声でやっと熱を持ち始めるぼくの下半身。
イっちゃう、イっちゃうとうるさいのでイかせてあげることにしました。前立腺とペニスを容赦なく攻めあげれば、声もなく射精してしまいました。虚ろな目がぼくを探して彷徨しています。こっちですよ、黄瀬くん。心の中で呼んだはずなのに、黄瀬くんはぼくと視線を交えました。ぼくの心の声まで聞こえちゃうなんて、どんだけぼくのこと大好きなんですかね、彼は。ちゅっと額に口付ければ、くろこっちと呼ばれたので返事をしてあげました。


「お願い…中に、来て」

「わかってますよ」


膝裏を持ち上げ、熱を持ったぼくのペニスを黄瀬くんのアナルに押し当て沈めていきます。排泄の機能を務めるそこは異物であるぼくを拒むことなくすんなりと受け入れ、もっと中に来てと誘導するかのようにきゅうきゅう締め付けてきました。誘導されるがまま全て飲み込ませ、全部入りましたよ、と伝えると彼はしあわせそうに笑って脚を腰に絡めてきました。脚癖も悪いようなので躾なおさないと、と思いましたが黄瀬くんの中が温かくて今にも腰が揺れそうなので躾はまた今度。ゆるゆると腰を揺らせば、気持ち良さそうに鳴く黄瀬くん。ね、いい声で鳴く犬でしょう?ぼくの自慢の犬なんですよ。


ぼくの自慢の犬


(20130131)


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