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自分自身驚く程、また涙が溢れ出して止まらなくなって、それは自分の意思ではどうしようもなくて。

膝を着いて泣き崩れた俺を、覆い被さる様に抱きしめて彼は。


「今ここに、君の他には事情を知る僕しか居ないよ。

誰も君を笑ったり、咎めたりしない。

気の済むまで泣いて良いから」


そう言って、よしよし、と子供をあやす様に背中を擦る彼に、ありったけの悲しみをぶつけるみたいに形振り構わずすがりついて俺は…

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