ある日のふたり


(高級キャバクラ「Rapunzel(ラプンツェル)」開店前、午後5時頃)


…八田さん、もしかして外出る?
ん、おお。ちと買い出しにな。
車?駅前通る?
乗せてけってか。生憎逆方向だ、タクシー使えよ。それかドライバーは…、皆今の時間だと出てるか…。
…タクシー嫌い。
…なんで。
経費の申請が面倒くさいから。
まあ確かにな。てか、んなの同伴する客に出させればいいじゃねえか。それか近場で待ち合わせしろ。
結構通ってるけどまだフリーで色々な嬢のとこ回って見てるお客だから、下手に動いて逃したくないの。様子見。というわけで送って。従業員でしょ。犬でしょ。
犬ではねえ。いちいちムカつく女だな。…仕方ねえ…行くぞ。
まだまって。何も用意出来てないから。
マイペースかよ!!
うん、B型。
どーでもいいわ。置いてくぞマジで。
そのカーテンの後ろで着替えるけど、覗かないでね。
うるせえはやくしろ。泣かすぞマジで。

(20分後)

遅えよ!…ってヤケに気合い入ってる服だな…?
そう?いつもこんな感じだけど。
背中丸出しじゃねーか。
…前丸出しよりはマシだと思う。
そりゃそうだけどよ…もし俺が悪い奴だったらどうすんだ?誘われてるんじゃねーかと勘違いして襲うかもしんねーぞ。
八田さんはそんなことしない。…ヘタレだから。
…てめえ…もしっつったろ…家帰ったら覚えてろ。
家まで覚えていられないかもしれないから紙に書いておいてもらえる?
………。
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