事の発端は今日の昼。後輩から電話もらってそいつの家まで行ったんだけど、店辞めたいって相談された。
いつも明るくて俺とバカばっかりやってる奴だったからそんな話だとは思わなくて、気付いてやれなくてごめんなって感じだった。
これと言って辞めたい理由はないらしい。
ただ、毎日こんな生活でいいのかって思うらしい。
ミスしてもミスしなくても気分とかでキャストに裏で怒鳴られたり、同期と比べられたりするのは嫌で。
楽しくなくて、感情が無に近いんだと。
いわゆる、作業になっちゃってる。
一時期、黒服はそれでいいと思ったらしい。
俺たちの基本は影だから。キャストが光。静かに静かに仕事をこなす。
でもそれなら、いてもいなくても同じだと思うようになったとか。
そいつはそのことで自分は価値ない奴って自分を攻めてたけど、ある意味意識高いと思う。
環境に満足しないでおかしいと違和感を覚える事が出来たんだから。
あとは、環境を嘆くだけじゃなく、行動出来れば最高だなって言った。
出来れば辞めるって選択肢じゃなく。
これは俺たちの責任でもあるけど。
徳丸さんは辞めたいと思ったことないんですかって聞かれた。
俺、いっつもヘラヘラしてっけどさ。
そりゃあるよ。人間だもん。
でも、辞めるってことは全てを拒絶して生きていくってことだから。今まで出会った仲間もお客様も店のものぜんぶ。
まだ改善の余地があるなら、さっき言ったように行動して欲しい。俺は店ごと変えちまえばいいと思う。お前の手で。辞めることより遥かに難しいけど、遥かにいいことだと思うんだ。そのまま後輩が諦めて負けるのは悔しい。
最終的な決断は何であれ、俺は止めないよ。でも俺を呼んだってことは何かしら答えが欲しかったってことだろ。
同情はしない。
干渉もしない。
でも辞めて俺たちとの縁を切って欲しくないなとは思う。
あとは、気分転換大事な。これ読んでくれる人も、あまり思い詰めたら人生うまくいかないぞ。俺みてーにとまでは言わないけど(笑)
