ぼっちなう | ナノ




皆さんこんにちは。今日も今日とてひとりで生活苗字です。
今日俺はとても重要な任務を任されている。

一体何事かというと先ほど廊下にて、大木先生に暇そうだからこの書類をい組の久々知君に渡してくれと数枚の紙を渡されたのである。

繰り返すことになるがこれは重要な任務である。

い組と言えば成績優秀で有名であり、先日の実技テストで俺は一つ失敗した以外にはすべて的に当たり、クラス内で成績は上位であったが、い組では全部当たるのは当たり前、そしてどれほど命中度が高いか、また素早いかといったところで順位が決まるらしい。
そんな成績優秀なクラスの中で特に頭脳明晰と謳われる久々知君と会話するのはいささか緊張する。

と、まあ考えてみたところで時間を食うだけなのでさっさとこの書類を渡しに行こうと思い俺は彼のクラス、い組に足を向けた。




のは良かったが、い組を覗いてみたところ久々知君と思わしき人は見当たらない。
どこにいるのかと思い困り果てていたところ、一人の人物が俺にどうしたのかと聞いてきた。
よく見るとその人物は久々知君に引けを取らないほど有名であるい組の委員長、尾浜君であった。余談だが俺は初めて彼の名を耳にしたとき思わず「Yes,we can't!」と呟いてしまったという思い出がある。

話を戻し、俺は彼の「兵助なら火薬庫にいると思うよ。」という言葉にお礼を言い、火薬庫に向かうことにした。

もしかしたらここから俺と久々知君が少し仲良く、いや、仲良くとまでいかなくても挨拶をする程度の人間になってくれたら俺は一日で発する言葉が一つ増え、日々を幸せな気分で暮らすことができるかもなんて淡い期待を抱きながら、足を進めていったのであった。






…後日談をすると俺と久々知君との会話は、

「あの、これ、大木先生から渡されたんだけど…」
「ん?ああ、ありがとう。」

で終わった。

お礼の言葉を頂けたことは非常に嬉しかったが、数分前に馬鹿な夢をみた自分を殴り倒したくなった。





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