ぼっちなう | ナノ




がつんと拳を入れた俺の耳に周囲のどよめきが聞こえ、真っ白だった俺の頭の中に少しずつ理性が戻ってきた。

かなり強いのをまともにくらったと思われたが、鉢屋君は一度地面に手をついて空中でくるりと回り、すたっと地面に着地した。「へえ。」と笑いながら俺の顔をべりりと剥がして、その下からいつも彼が変装をしている不破君の顔が現れる。
不破君の顔に戻った鉢屋君はペッと枠外に口の中の血を吐いて、意味深な笑顔を浮かべたままこちらに走り出した。手には苦無、再び近距離戦開始かと思ったが、ぱっと俺の視界から彼の姿は消えた。


上か!と思いバッと上を向く。
そこには高く飛び上がった鉢屋君がいて、どう来るかと思案していた俺の目を何かがかすめた。

よく見れば周りには細かい薄黄色の見覚えのある粉がふわふわと舞っている。


やばい、これ、もしかしたら。



「二回戦で生物委員の狼に浴びせたとか。実際に浴びてみたら、まあ痛いだろうね。」



にこっと最後に鉢屋君が綺麗に笑うのが見えたが、すぐに俺の目には刺さるような激痛が走り、その笑みも瞼に遮られた。





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