ノンスピード日常ガール! | ナノ






ごこ!






「はぁ。」

「うううううう。」


ヒソヒソ
「なんか苗字さん元気ないよね。どうしたのかな。」
「確かに。オレも気になってた。」
「朝からずっとあんな調子だったぞ。」
「は?おま、兵助気付いてたんならなんかしてやれよ!」
「なんでだよ。そういうのは三郎にやってもらった方が喜ぶだろ、あいつ。」
「あ、そうか…。で、三郎にそのこと言ったのか?」
「いや。」
「じゃあ意味ねえじゃんかよ!」
「まま、ハチ落ち着いて。」
「つか、三郎は?昼休みにいねーなんて珍しくね。勘右衛門もだけど。」
「学級委員の仕事だって。」
「あーそっかだからか。それじゃ三郎無しでどうすんだよ。」
「豆腐でもやったら、」
「兵助ちょっと黙ってろ。」
「うん。ここは三郎を呼んで、」

「私がどうかしたか?」


「うおっ!三郎!いいところに!」
「俺も居るよー。」
「ちょっと苗字さんを慰めてきてよ。」
「は、なんで…」
「どーしたの?なんかあったの。」
「元気ないんだよ。いつにも増して。」
「…たしかに、今日は朝の挨拶にも観察にもどことなく覇気が無かったな。」
「だろ?ってわけで行ってこい!お前にオレたちのいつもの日常が掛かっている!」
「そこまでかよ…。」


「ううううううん。」
「おい、苗字。どうした。」
「きっひゃい!あ、ああああ、鉢屋君!どうしたの?」
「どうしたのはお前だ。なんか朝から覇気はないし、今私が近づいてきたのも気付いてなかっただろう。」
「あ、ああああああ!鉢屋君好きの私一生の不覚…!ごめんなさい!出直してき、」
「じゃなくてお前ほんとに変だぞ。」
「いや、その元気が無いのは、」
「ないのは?」
「うわっ竹谷君と不破君と久々知君、勘右衛門君までいつのまに。」
「ずっと話は聞いてたぞ。」
「あれま。」
「それより、理由を早く言えよ。」
「え、えっと、その、」
「なんだよ。」
「いや、絶対気まずくなるから、」
「言え。」
「久々知君そこまでオーラ出さなくても。…ハイ。言います。言いますよ。……あのですね。」
「ん。」

「その、お、女の子の日、といいますか…。」

「「「「「………ああ。」」」」」

「ほら!やっぱり気まずくなった!」
「それはまあ、なぁ?」
「ちょっと悪かったっていう感じのあれだね。」
「ごめんね、苗字さん。僕達気が利いてなくて…。」
「い、いやいや!心配してくれたのはすっごく嬉しかったっていうか!鉢屋君が話しかけてくれて幸せだったというか!」
「それよりお腹痛いんでしょ?大丈夫?俺さすってやろうか?」
「勘ちゃんそれセクハラ。」
「うわあでも頼みたい。」
「あっほんと?やったげよっか。」
「うーん。そこに下心が無ければ?」
「あっじゃ無理だ。」
「えっあったの?」
「男の子は女の子に関係することは全部下心があるんだよ名前ちゃん。」
「なるほど…。」
「……そういうのって女子に言ってもいいことなのか?」


「大丈夫だったら私達はもう行くぞ、勘右衛門。まだ仕事は残ってるんだ。」
「あ、そうなんだ。」
「そうなんだよーじゃあね名前ちゃん。ちゃんとあっためるんだよ。」
「ううう勘右衛門君ありがとう…。惚れちゃいそうだよ…。」
「あはっじゃあ俺のストーカーに変わる?」
「うーーん。その可能性は低いかなあ。まだ鉢屋君と坂本さんがどうなるかも見届けてないし。そもそも鉢屋君が可愛くてかっこよすぎるんだよなあ。」
「わあ、マジレス。」


「ほら、行くぞ。変人、無理すんなよ。」
「え、鉢屋君が私のことを気遣ってくれた!わあい!ありがとう!!無理しないよ!」
「結局一番効くのは三郎の言葉なんだな。」









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