日曜天女
「あ、こんにちはー…」
思わず、はは、と乾いた笑いがこぼれてしまうほど私を見る目は呆れていた。 そりゃそうだ私は一週間前も、そのまた一週間前も、さらにその一週間前もここに突然現れたのだから。
あっそんなまたこいつか!って目で見ないで!知らないよ!むしろこっちが聞きたいよ!なんでだよ!!
そう必死に語りながら(もちろん心の中で)私は自分の腹の虫が鳴りそうなことに気づき口を開いた。
「あの…朝ごはん…頂いてもよろしいでしょうか…?」
誰にともなく放った既に定型句となっているこの私の発言に、緑装束を着た(確か六年生)人がはあ、とため息をつきながら、座り込んだままの私を立たせ、食堂へと案内をしてくれた。
「なんかすみません…」 「……なんなんですかあなたは。」 「なんなんだ、と言われましても…」
私がなぜか日曜日だけこの世界に来てしまうようになってから数回目。 既に私はここの人たちに謎のお姉さん、もしくは日曜日のお姉さんといったような名で認識されていて、この「忍術学園」の有名人となっていた。もはやこの学園の日曜日の顔と言っても過言ではない。
ちなみに私が訪れるたびに、得体のしれないこの私を監視するためと誰か最低限一人ついてくるようになっている。申し訳ないが残念なことに私はまったくもって無害な人間で、むしろこの時代のこととかお手伝いの仕方とかその他もろもろ教えていただいている。すいません。
今日はこの髪の毛がサラサラな少年が監視役もとい私のお世話係になってくれるようだ。確か一度話したことがあるようなないような気がする。
「あの、お名前は…」 「立花です。」
ぶっきらぼうに返されたその言葉に少し苦笑しながら私も「私は名前です。」と言い、それに「知ってます。」とこれまたぶっきらぼうに返されるこれも毎回私のお世話係になった人間と繰り返されることである。
・日曜だけトリップするヒロインの話。 ・学園には一度悪い天女が来てる。 ・ので、ヒロインに警戒しまくってた。 ・が、日曜だけ来るので戸惑う学園の人たち。 ・ヒロインは大事な休日をなぜか学園で手伝いをしながら過ごすことになって、正直現状をどうにかしたい。
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