ごみ箱 | ナノ




生まれてこの方一度も恋をしたことがない、とは言わないがそれこそ小学生のころしか恋をしたことのない私は正直恋の気持ちが、更に言えば一目惚れなんてまったく現実感のないもので、っていうかそんなものほんとにあるの?都市伝説なんじゃないの?という考えを持っている。

だから、絶対これは違うのだ。
私が、先程落としてしまった定期入れを拾ってくれた人にこんなにドキドキしているなんて。
絶対そういうものではない。そうだ。

それでも私の心臓は、ドクドクと忙しなく脈打っていて。


私は今、鞄を肩に、定期入れを右手に、駅のホームに立ちすくしている。


ああ、駄目だ。さっきから、どうしたって、定期入れを拾ってくれた彼の笑顔が、頭から離れない。







相手をどうしようか迷って結局決まらない。
兵助だったら彼は豆腐オタでしたオチで、雷蔵だったら図書館での恋的な話になって、個人的一押しは与四郎さん(年上既に仕事してる)に片恋話。



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