橙色の空と銀髪


橙色の空に映える綺麗な銀髪はどこかで見たことがあった。


??「おい、白川ユア」

『…なんで私の名前知ってるんですか!!えっちーーーーー!!』

??「は?…はぁっ!?なんでてめぇに言われなきゃなんねぇんだよ!!」

『私はあんたみたいなかっこつけて銀髪に染めちゃうようななんちゃって不良の知り合いはいないわよ!!』

??「これ地毛だし!!!かっこつけてなんてねぇ!!!!」

『じょーだんだよぉ…祥吾のこと忘れてなんていないし、なんちゃって不良だなんて思ってないよ。祥吾は不良になりきれていない童t「うるせぇええええ!!!」


私がこんな怖い顔して可愛い一面を持つ祥吾と仲がいいのは入学式のときにまでさかのぼる。


【入学式】

『やっべ!やっべ!入学式楽しみすぎて全然眠れなくて寝坊しちゃった!!』

もうこりゃ間に合わんな。

諦めよう。

人生諦めが肝心なのだよ。うん。

幼馴染のあいつは私を置いて先に入学式に行ってしまったらしい。

ヒドイ。一声かけてくれてもいいじゃん!!

真ちゃんの制服みたかったのに…


今頃新入生代表挨拶でもしているのかなーと考えながら校内をうろついてみる私。

当たり前ながら生徒おろか先生の姿もまったくみえない。

静まり返る初めての校舎に私の足音だけが響いている



はずだった。


ドガッ バキッ

 ウグァッ…て、めぇ…っ


なんか生々しい音やうめき声が聞こえるような…


音のする方…窓の外を見てみる。

丁度そこは死角になりそうな場所で人通りも少ない。

銀髪の男子が数名の、銀髪の男子よりもかなりがたいのよろしい多分先輩方が暴力をふるっていた。

銀髪の方の男子はたぶん新入生だろう。

今は土などで汚れてはいるけれど、制服は新しい。

これは…助けた方がいいのかな。

 
銀髪「ぐっぁ…」


助けた方がいいな!!!今すぐ助けないと!!


先輩A「1年が調子のってんじゃねぇぞ?」

先輩B「髪の毛銀に染めちゃってさぁ〜」

銀髪「へっ…お前らみたいな汚ねぇ金髪より銀の方がイケてんだろうが」

先輩C「んだと!?」


ヒュンっ

A・B「「っ!!?」」

C「だれd」

『とぅっ!!!』


どん!!


『見よ、この綺麗な着地を!』


私は助けなきゃ、と思うと不思議と体が動いていた。

後先も考えず、下したての新品の上履き(24.0)を脱ぎ窓を開け不良めがけて投げていた。

見事に上履きは不良の頭にヒットし、そして私は飛び降りた。

2階とはいえ結構高い。

だが私は思い出した。

これ以上高いところから川へと飛び降りたこと。

そして私は運動神経が抜群だったことを。


私は見事に綺麗に着地成功したというわけだ。

先輩Cの背中の上に。


『ぎゃぁあああああ!!!すみません!すみません!私の綺麗なおみ足の下敷きにしてしまって申し訳ございません!!』

A「なんだぁ?こいつは」

B「てめぇ、なにしたかわかってんだろうな!?」

C「謝る気ねぇだろ!」

銀髪「( ゚Д゚)ポカーン」

『うぅっ…私は負けない!汚い金髪の先輩どもよ、か弱い、可憐な私が成敗してくれる!!!月に替わってお仕置きよ!!』

ABC「…」

『って、月でてねぇえええええ!!!…だがしかし私には関係ないっ!覚悟ぉおおおおお』


A「女が男に勝てるtぐっふぉおおおお」

B「舐めんなyぐぁあああああっ」

C「ひ、ひぃ、や、やめrうわぁあああああぁあ」

『空手、柔道、男の急所知っててよかった!女舐めんじゃねぇぞ☆』

キーンコーンカーンコーン♪

『やばっ、入学式終わった!??銀髪君!早くここから逃げよう!先生やほかの皆が来る前に!』

銀髪「ちょ、おい!」


私は銀髪君の手を取りその場から逃げた。

誰にも見つからないように体育館の裏へと逃げた。


銀髪「はぁっはぁ、お前、何者だよっ」

『私はただの寝坊した新入生ですが?』

銀髪「おまえ、バカだろ」

『命の恩人にバカってなんですか!?ま、まあ、確かに勉強はあまりできませんが…』

銀髪「…まあ、その…なんだ。 有難うな」

『別に〜あ、銀髪君。名前はなんていうの?私は白川ユアっていうんだけど』

銀髪「…灰崎祥吾」

『よろしくね、祥吾!』



〜回想終了〜

『懐かしいな〜』

灰崎「なんでいきなり呼び捨てで呼んでんだよ。おかしいだろ初対面の人に向かって」

『いいじゃん!別に!助けてやったんだからさ。』

灰崎「あの時俺は命知らずなただのバカかとおもったぞ」

『体がつい動いちゃってね〜』

灰崎「…そういうとこ、嫌いじゃねぇけどな」

『へっ?』

灰崎「な、なんでもねぇよ!それよりなぁちょっとついてこい」


ぐいっと私の手を握り、祥吾はどこかへと歩き出した。


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