紅夜「大変な事になった」
いつもと変わらないSOMYレンジャーの事務所。
そこには真剣な顔をした紅夜がいた。
いつもと違う紅夜の顔つきに、他の3人の表情も変わる。
悠「隊長、何があったの…?」
夢中になってやっていたゲームを置く。
夢汰「野口さんが家出したとかじゃなくて?・・・ついに殺人事件とか!?」
がわこ「かなり大変な事なんだね、真剣な顔なって…」
珍しく落ち着いている様子。
それはあまりにも緊張しているのであろう。
廊下では生徒達の騒がしい声が響く。
SOMYの周りだけば空気がピリッとしていた。
普段とは違う空気に喉が渇き心が張り詰めるようだった。
心拍数が上昇しているのが解る。
紅夜「手短に言うとマジ大変でさ」
悠「殺人事件起こしたの?殺人事件が起きたの?そこだよ!」
流石に殺人事件は起こさない。
仮にも正義のヒーローと名乗り少しだけ有名にはなっている。
悠の一言で緊張で張り詰めていた空気が少し和やかになった。
夢汰「よりによって事件は起こさないよ、多分さ」
がわこ「殺人とかヤバいし」
紅夜「実は…っ」
否定もせず、実はっと顔を伏せる。
予想していなかったのか目が少し見開かれて声が出ないという様子の夢汰。
嘘でしょ・・・っと小さく呟きパニックになっている。
そこで口を開いたのは、悠だった。
悠「私宇宙人だった…!ってオチ!」
夢汰「ちょっと、ありえなくも無いから」
まぁ悠だしねっと言う事で納得ができてしまうのが凄いところ。
がわこ「ランランルー」
紅夜「ルール的にがわさんのはどうよそれ」
悠「レンジャーとしてがわのはどうよそれ」
夢汰「レンジャー関係無い」
がわこ「良いの!アリだよ、アリにして!」
机を叩いて必死に訴えてくるがわこ。
悠の判定により、今回はセーフとする。
紅夜「適当だなぁ」
ゲラゲラと笑う紅夜。
先ほどの空気が無かったようで賑やかに空気になっている。
悠「アンタはまったく酷いわねぇ」
夢汰「え、何キャラ」
がわこ「ランランルー!ってか夢汰確信犯でしょ!?」
今のは?紅夜は悠に聞く。
そうですねぇっと偉い人の様に腕を組考える素振りをする悠。
がわこはまたアリだと必死だった。
紅夜「妖怪にヌエって居るんだよ」
悠「良く考えて、噛み合ってないからね」
夢汰「ねぇ〜」
微妙などではない。
自分が好き勝手に言いたいことを言っているだけであった。
がわこ「えぇぇぇええぇぇぇッ!!」
紅夜「えーって、がわさんさ」
悠「さっきからルール的にギリギリだからね、まったく」
夢汰「苦戦してるんだよがわこだって。頑張って」
がわこ「天気良いね」
スッと真顔で窓の方を見たがわこ。
噛み合っていない。
メンバーの中で1番噛み合ってない気がする。
紅夜「ねぇ、がわさんちょっくら爆発して」
悠「手伝おう!」
夢汰「上手くやるよ!」
3人して親指を立てる。
上手くやるって何の話なのかは解らないがきっと上手く殺るというお話。
がわこ「喜んでご遠慮させて頂きます」
紅夜「素晴らしい敬語だな」
悠「何か頭使うの疲れたw」
夢汰「確かに」
がわこ「苦手な事はするもんじゃないね。終わりにしよう」
紅夜「うわ、終わりだけ活き活きしてるのな」
悠「ナー・・・、ポリタン!」
時間が一瞬だけ止まり、悠以外の3人が気がつく。
コイツやったなっと。
悠は未だに分かっていない様子。
何のことだか解ってない悠も少し考え、あっと気がついて机に伏せる。
がわこ「終わったぁぁぁぁぁぁ」
腕を挙げて喜ぶ。
喜びを体で表している。
同時に緊張感からの開放と気掛かることが無くなって安心をしたのもあるだろう。
冒頭に戻る。
4人は会話で夢汰の提案でしりとりをしていた。
普通のしりとりではつまらない。
そういう事で会話の中でしりとりをする事になった。
意外と頭を使う。
言動に出ていたがわことは違い、文系を苦手とする紅夜も表情に出る程とはいかないが悩んでいた。
文系を得意とする悠には楽勝だっただろう。
紅夜「がわさんが終わらせないと」
悠「ごめんよ、がわー」
がわこ「何で私、夢汰で良いじゃん」
夢汰「良くないわ」
紅夜「だがしかし、大変なのは本当なんだ」
真顔でもなく普通に言う紅夜。
しりとり中とは違うのは緊張感も何も無いからであろう。
普通の表情で普通に言っている。
夢汰「何やらかしたの!」
がわこ「え、やらかしたの!?」
悠「何やらかしたの、がーわ!」
まさか自分が疑いわれるとは思ってなかったがわこは飲んでいたミルクティーを吹き出しそうになってた。
これに笑いを堪えるのが1人。
顔を背けて静かに笑うのが1人。
指を指して思いっきり笑ってあげるのが1人。
がわこ「・・・で?何が大変なの?」
紅夜「あんまり大変でもないが」
夢汰「どっちだ」
悠「とりあえず言ってみよ」
紅夜「1回も仕事してない」
あぁ・・・っと空気になった。
bkm