こんにちは、ウチです。
塩宮がわこです。
管理棟の1階、の空き教室。
そこはSOMYの事務所にすると決めた場所。
放送で管理棟の1階を使うと言い、お昼の放送でも伝えた。
先生たちも止めるに止めれなくなったみたい。
なんだかんだでちゃんと使用する許可を取った。
がわこ「あ、それ机の上に置いといて」
悠「うぃー」
かーさんと夢汰は学級委員の会議に出ているので遅れるらしい。
だからウチと悠ちゃんで必要な荷物を運び入れていた。
事前に廊下に運んであるものを事務所に入れる作業。
それだけでも充分疲れる。
依頼者が来たときの応接用の机と椅子とかを2人で用意してるから!
悠「冷蔵庫欲しくない?」
がわこ「何に使うの」
悠「ハーゲンダッツ」
がわこ「必要だ」
かーさんと夢汰が居ない為、誰も止める人が居ない。
中断しない自由な会話になる。
この会話はこの事務所に必要なものの話になった。
がわこ「あとお菓子だよ!お菓子!」
悠「それとゲームね」
がわこ「え、ゲーム?」
悠「まずWiiの太鼓の達人」
がわこ「もう1回遊べるドン!」
夢汰「遊んでないで荷物運びなよッ!」
バンッとドアを開けて夢汰が叫んできた。
両手には本を抱えていた。
多分足であけたよね。
まったく足グセの悪い!
夢汰は学級委員会議が終わて事務所に丁度来たところ。
どうやらウチらの会話は廊下にも聞こえたらしい。
あらやだ恥ずかしい。
がわこ「遊んでないドン!運んでるドン!」
悠「カッ!カカッ!」
がわこ「ドンドンドンッ!」
夢汰「うるさいんだけど!うるさいんだけど!」
がわこ「ドドドドドドドドッ」
夢汰「運ぼうよ!ねぇ!」
がわこ「疲れたドン!」
悠「ちょっとお2人さん、机運ぼうよ」
さっきまで一緒にふざけていた悠ちゃん。
何サボってるのという顔でこっちを向いてた。
さっきまで共犯だったのに裏切られた!
もうやる気が出ない。
一度脱線したらやる気を出すのに2時間はかかる。
SOMYレンジャーが何で自分で事務所作りをするんだ!
いや、自分たちが使うからなんだけど。
だいたいレンジャーって正義の味方でしょ?
こんな地味なことしてどうするんだ!
こう・・・、派手に、ね?
ババァァァンと!
がわこ「そうだ、敵を探しに行こう!」
悠「ごめん、今がわが何て言ったか解らない」
がわこ「そうだ、敵を探しに行こう!」
夢汰「あれ、塩宮の言葉が翻訳出来ない」
がわこ「そうだ、敵を探しn」
紅夜「ただいまー」
ドアが開く音と同時にかーさんが帰っきた。
夢汰同様、両手には荷物を持っているので足で開けていた。
女子ならば控えなければいけない行動なんだけど。
あ、そっか、女じゃねぇんだ。
女だとしても物理的な女子力だねっ!
かーさんと入れ違いに悠ちゃんが荷物を取りに廊下に出る。
がわこ「正義の味方なんだよ!」
紅夜「え、今なんの話」
がわこ「SOMYレンジャーなんだよ!」
紅夜「通訳、通訳どこだ!」
夢汰「通訳今廊下にいるよ」
紅夜「通訳ー!」
悠「はーい!」
どうやらウチの通訳は悠ちゃんらしい。
とりあえず悠ちゃんに訴える。
ウチにとってのSOMYレンジャーは日曜の7時30分ぐらいからやる特撮テレビドラマや仮面ラ●ダーだということ。
敵はヒイッて言う世界征服を企む謎の国際的秘密組織のショ●カー。
夢汰「どこかのイベントにでも行かないと現れないよ」
紅夜「敵はどうでもいいとして、校長がね」
悠「隊長がそんな適当で良いのか!隊長がそんな適当で良いのか!」
がわこ「大切な事なので2回言いました」
紅夜「隊長じゃねぇし、話聞けし」
確かに、かーさんは司令官なんだよね。
なのに悠ちゃんは隊長って呼ぶ謎。
元々かーさんを紅夜って呼ぶ人はあまりいない。
気が・・・、する。
がわこ「かーさん!仕事だよ!」
夢汰「仕事以前に事務所作りだよ」
紅夜「もう敵見つけて適当に戦ってきなよ。武器とか造らないからね、素手で戦って来い」
悠「たいちょおおおおお!」
がわこ「素手とか死亡フラグだよね」
夢汰「事務所作ってからにしてね!」
がわこ「はーい」
とりあえず仕事の話は事務所が完成してから。
そう言われて4人で廊下に荷物を取りにいく。
ドアを潜ったぐらいに、あっ、とかーさんが何かを思い出した。
紅夜「そうそう。校長がね」
出た瞬間、悠ちゃんと夢汰が動きを止めた。
夢汰「ソファー?!ソファーがあるんだけど!」
悠「冷蔵庫!テレビ!」
応接用のソファーとテーブル。
テレビや冷蔵庫などその他色々。
学校にはそんなに無いものが置いてあった。
しかも新しいんだけど。
紅夜「校長がね、SOMYは素晴らしいから何でも用意してくれた」
がわこ「え、やばくない。超やばくない?」
悠「やばい、超やばい」
がわこ「まぢぃ、ちょーやぶぁい」
夢汰「・・・え、これ運ぶの?」
紅夜「うん、廊下までは運んでくれたんだけどね」
ふざけるウチらを放って、かーさんと夢汰がソファーを見る。
廊下までは運んでくれたが、そこから先は自分たちでやってくれ、だそうだ。
中までやってくれてもいいだろうに。
夢汰「爪折れたッ!」
ソファーを持とうとしたら手をぶつけたらしい。
その衝撃で爪が折れた。
爪を見て「うあああああ」とショックを受けている。
最近揃った爪だった様で相当ダメージみたい。
紅夜「ほら、事件だよヒーロー。夢汰の爪折れたよヒーロー」
がわこ「全部折るしかない」
悠「よし、解決」
夢汰「えぇぇええぇぇぇ」
夢汰の爪は解決。
未だに嘆く夢汰を放って、とりあえず事務所に運び入れる。
遊んでる場合じゃないのよっ!
悠「事件は起きるものじゃない!起こすんだ!」
紅夜「解ったから運び入れるよー」
がわこ「もう犯罪者の台詞だよね」
悠ちゃんがが事務所の真ん中に達、どこか遠くを見ながら言い出した。
ソファーを2人で持つかーさんとウチは構っている暇ではない。
なるべく早く、ソファーを運び終わりたい。
手がやばいんだ、関節が。
ソファーにすべて持って行かれそうなんだ。
悠「むしゃくしゃしてやった。誰でも良かった。反省はしていない」
夢汰「SOMYブルーが犯罪者になりそうなんだけど」
悠ちゃんが事件を起こす方向に思考が進む。
いつものおふざけだと思い、3人が運びながら聞く。
がわこ「かーさん、仕事くれ」
紅夜「とりあえず運べ」
悠「私達は仕事したいのよ!」
夢汰「雛志、運ぼうよ!」
がわこ「脱ニートしたいんだね」
紅夜「良いじゃん。ニートだって生きていける」
悠「じゃあ私が事件起こすからSOMYレンジャーで解決しよう!」
がわこ「悠ちゃん、運ぼう」
夢汰「犯人解ってるからね」
紅夜「だから運べって」
悠「とりあえず明日校長消えるかも」
・・・え?
ウチと同じようにかーさんと夢汰も悠ちゃんを見る。
未だにどか遠くを見ている。
そして急に勢い良く廊下に出て、どこかに走っていた。
悠「校長ぉぉぉぉぉぉぉ」
紅夜「そして誰も居なくなる」
がわこ「怖・・・ッ」
夢汰「運ぶの嫌になっただけじゃね?」
「キャァァァァァァッ!!」
夢汰「え!?悲鳴が…!!」
紅夜「気のせい気のせい、風だって」
悠「校長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
悠ちゃんのことを無かったことにし、運び続けた。
bkm