SOMYとお昼放送



3、2、1・・・


放送委員がどうぞっと言ったのと同時にがわが言い出した。


がわこ「はい、という訳で今回も始まりました。SOMYによるSOMYの為のSOMYのお昼放送!」


こんにちは、おはようございます!
ゲームを持ってるけどプレイ出来ない状況の雛志悠です。


只今、放送室にてSOMYの初放送中。
元は放送委員のちょっとした都合で、SOMYレンジャーに放送を頼んだ。まぁ、SOMY拡める為にも良いからお昼の校内放送をしている。

なうで、がわの表情が堅い。校内の放送って大きいことをしてるから緊張してるんだろうけど、やっぱ堅いんだよねぇ。
ちなみに、ここでがわがミスったらもちろん私らは茶化すね。そして全校生徒に広まるだろうな!


夢汰「塩宮、“今回も”じゃないね。初めてだからね」

がわこ「さて、ウチ達SOMYレンジャーとは―――…」

紅夜「がわさんのスルースキルだ!」
悠「今回はがわが進行するんだからしょうがないよ!」


返事がなかったことにショックなのか夢汰が携帯を取り出してネット世界に逃げ出す。だが許さない。私はそれを阻止した!携帯を投げることによってな!!

進行はジャンケンで負けたがわ。
マイクに向かいながら左手でアポロを握りしめながらシェイクシェイク!そんなに握ったら箱の中がドロドロになるだろうに!シェイクしてるから何か出来そうだよ!!


紅夜「いつもは私がまとめるからな。私の大変さを知れ」
悠「きゃーっ!頑張って―!」

がわこ「そして今回のラジオではSOMYレンジャーの―――…」

紅夜「(:D)rz」
悠「_(:3 」 ∠)_」
夢汰「まだ始まったばかりでヘコまないで・・・!」


集中、というよりもがわの余裕の無さだよね。こちらの言葉なんて聞こえてなくって、周りが騒いでも台本にしか意識が向いてない。現に隊長と私の言葉に返事が返されなかった。
進行をするがわと他の3人では緊張感に差が出てるよね。


紅夜「そんなに必死になんの?」
夢汰「母さんは必死にならないの?」
紅夜「ちょっとした緊張と真面目さと」
悠「余裕を少々」
夢汰「適当か」


悠「がわぁぁぁぁぁッ!」


適当と言った夢汰に隊長がパンチをしながらも私は机を叩いてがわの集中を切ろうとする。雑音さえも放送で流されているけど!放送だなんて、そんなものはどうでもいい!私の相手をしろよおおおおおお!

私はがわの台本を掴み


がわこ「何してんの!」
夢汰「ちょ、出版委員に当たっちゃったよ」
悠「後悔はしていない」


私はがわの台本を投げた!


その台本は誰かに当たったような音がして、見れば出版っと書かれた腕章をしている2人。今回の放送のことで校内新聞を作るらしく取材で来てるとか。


悠「あ」


その出版委員、2人のうち1人は知っている人だった。私だけじゃなくてSOMY全員がその存在に気がついたらしく、目を真ん丸くしてる。


紅夜「大崎だ、大崎がいるぞ」
夢汰「えっ、3年A組出版委員長の大崎淳平くんが?」
悠「やだ、私お化粧してないわっ!」
がわこ「きゃっ!おめかししなきゃ!」

大崎「お前ら馬鹿にしてんだろ!」

がわこ「どうも、大崎」
大崎「どうも、がわさん」


委員会中だから黙っていた大崎が口を開き、一層賑やかになる。ふざけていたハズのがわは大崎と真顔で挨拶するから笑ってしまう。
大崎の手にはいつも持っているカメラが握られていた。


悠「じゃあ大崎も参加ってことで。一旦、進行は代わります、隊長に」
大崎「はーい」
紅夜「いや、隊長じゃないし。やらないし」
夢汰「雛志はやらないんだ」
がわこ「ウチ、頑張ったのに」
悠「やっても良いよ、がわが」
がわこ「もう勘弁してください」


そこまでやりたくないのかすぐに頭を下げた。先程のような集中力や緊張感はもう出てこないのかもしれないけどね。

私らが騒いでいる間に台本を黙読する隊長。一応ちゃんとやる気なんだと思う。ちゃんとやるというのは珍しいんだけどね。

なんとなくで読み終わった隊長が顔を上げる。


紅夜「とりあえず雛志は出版委員に謝罪」
悠「誠にがわが申し訳ございませんでした」
大崎「いいんです、幸い、当たったのは俺ではないし」
がわこ「ウチか、ってかさりげに大崎酷いな」
悠「やだ大崎、サイテー」

夢汰「進めようよ」
紅夜「はいはい」
夢汰「塩宮、司会変わったからってお菓子食べないの」


夢汰に注意されたがわは、スナック菓子の袋を持って固まる。え、何が悪いの?って顔をしてるんだけど。丁度お菓子を開けようとしたところだしね。あれ、アポロどうした。


紅夜「はい、じゃあSOMYレンジャーのご紹介。進行は先ほどと替りまして司令官の大月紅夜がやらせて頂いてます」
夢汰「SOMYレンジャーのしっかり者!レッドの長門夢汰です」
悠「夢は学校にアイスの自販機を設置すること!SOMYブルーの雛志悠です」
がわこ「ウチの心並みの真っ白なヘッドフォン、SOMYレンジャーホワイト、塩宮がわこです」


しっかりとマイクに向けてご挨拶する隊長と夢汰。私とがわこはマイクに向けてポーズを付ける。もちろん放送なので相手には伝わらないけどな。

だが心配はいらない!

大崎は流石出版委員といったところ。きちんと決めポーズを写真撮っていた。さすがだわ、ほんと歪みない。


紅夜「最初のコーナーは出版委員からのSOMYへの質問です」
夢汰「あ、ちゃんとしてる」
悠「だから出版委員が居るんだ」
がわこ「バッチコイッ!」
夢汰「ちょっと静かにしようか。マイクの音量オーバーするよ」
悠「音声担当の耳がパーンってするねええええええ!」


知ってて大声を出してあげた!若干廊下に流れている放送がこちらまで聞こえたけど気にしない。それ程大きな声だった様だ!音声担当もダメージをくらったようだ!


大崎「・・・じゃあ最初の質問、皆さん好きなものは?」

紅夜「ガンプラと猫」
夢汰「幼女と携帯かな」
悠「ゲームとアイスッ!」
がわこ「食べ物」


どやぁっと答えたら大崎が微妙な顔してた。

隊長はよくガンプラをやってる。家の猫に邪魔されてたりするけど、よくあんな細かい作業やるよね。
夢汰はまぁ、変態だからしょうがない。携帯が好きなのも、ネットに詳しいし、充電が無くなると死にかける。
私が一番普通かな!ゲーム好きだし、アイスも好きだし!ちょっと好き過ぎて授業中にゲームやったらい、学校にアイスの自販設置を申請するぐらいだけどねっ!
がわの答え、範囲広すぎね?


大崎「吹奏楽部ということですが。楽器は何を?」

悠「フルートッ!」
がわこ「クラリネット」
紅夜「テナーサックス」
夢汰「トランペット」


ふ ざ け て な い !

ふざけようが無かったってものあります。いや、だって楽器を答えるだけなのにどうふざけろと。

大崎はもう1人の出版員がメモを取り終えたのを見て、次の質問にいく。


大崎「次に、委員会は?」

紅夜「私、学級委員長」
夢汰「オレ学級副委員長なの」


私のクラスの学級委員の2人。学級委員だから委員会は無いんだよっと隊長と夢汰。仕事は少ないけど行事の時は面倒だよねっと過去にあったことを話始めた。
この2人は行事の時に文句を言いながら仕事をしてるのを見る。


がわこ「文化委員長だよ」
悠「放送委員委員長」


あまり委員会活動をしていない文化委員長のがわ。だが文化祭の時の忙しさは尋常じゃない。

次に答えた私の言葉に周りの動きが止まった。


夢汰「え、放送委員?」
悠「オー、Yes」
夢汰「しかも委員長?」
悠「Yes!」

がわこ「何故発音が良いなぁ」
紅夜「いや、今はそっちじゃない」
大崎「雛志、仕事しろよ」


放送委員の仕事、をしろだそうだ。してるよ!ちゃんと今放送してるしSOMYもやってる。
一石二鳥ってやつかな☆


悠「実は今日あるコーナー担当の放送委員が熱中症で」
夢汰「もう次の質問いきましょう!」


話を夢汰に切られる。

違うんだよ!放送委員が熱中症で困ったんだけど。SOMYが放送すればいいじゃんって!宣伝も出来るしってことなんです。


大崎「次の質問な、SOMYって何?」

がわこ「SOMY意外に何が?」
夢汰「生徒の悩みから地域との連携をした人を助ける組織です」
悠「管理棟1階を事務所として、依頼をこなす組織」
紅夜「あ、依頼は直接でもいいし、事務所前の依頼ボックスでもいいから」

大崎「上手いこと宣伝するな」
がわこ「ウチの答えが酷く感じる」


大崎「最後の質問、何故SOMYレンジャーは結成されたんですか?」


がわこ「それって普通は最初の質問だよね」
夢汰「何か気分でしょ?」
紅夜「馬鹿お前、結成するには色々と手続きをだな・・・」
悠「血と涙と吐血の結晶を―――…」
夢汰「リアル・・・、ってか吐血したんかい!」


大崎「質問答えろって」


投げた台本がコッチに飛んできた。















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