SOMYと部活動



紅夜「んじゃ、15分まで休憩。休憩のあとは個人練やりまーす」


はい、おはようございます。
くっそ疲れた塩宮がわこです。


悠「ああああああああッ!」
がわこ「疲れた、基礎練つらぁ」
悠「アフリカァァァァン」


我ら吹奏楽部の部長のかーさんが休憩だと言った瞬間。
もう手の力が抜けたね。
一通りの基礎連の後に曲を1つやるってのがね。
しかもすっごいロングトーンと連符があるやつ。


紅夜「あ、チューニングしてから、チューニングしてから!」
夢汰「早く言え、もう立っちゃったよ!」


サラダを持った夢汰がチューニングをしに席に戻っていく。
ふっ、私はいつも通りチューニングをしていたからな。
夢汰と入れ違いにウチとかーさんがコンビニのビニール袋を持って部室にある机に向かう。


がわこ「朝ごはん〜」
紅夜「あー、疲れた」
がわこ「基礎練だけで疲れるよね」
紅夜「ってか基礎練の後にアフリカン吹くからね」
がわこ「かーさんがやめればいいんだよ」


かーさんが取り入れたんだから。
ガサゴソと袋からごはんを出して食べる準備をする。

かーさんが部長になってから6つある基礎練を終えたあとに野球応援で使っていた曲を基礎練に付け足した。
これが疲れんだわ。
肺活量が更に増えていく感じね!


紅夜「吹き終わった後の心臓ヤバイからね」
がわこ「随分肺活量増えたけどね」

夢汰「失礼しまーす」

がわこ「けぇーれ!おめぇらみてぇな都会のもんがここの土踏むんじゃねぇ!」
夢汰「酷い・・・っ!」
がわこ「今すぐ、けぇーれ!」


紅夜「何でもいいけどあと10分で食べ終えてね」


ハッとしたウチはコンビニで買ったご飯を食べ始める。
10分だと?
まぁ休憩が10分しかないんだけど。

そこに何故かフルートを持ったままの悠ちゃんがきた。
フルート置いてくればいいのに。
もうずっと持ってるよね。


悠「アチーッ」


ふうっと一息ついて、フルートを置く。

前を見ればウチがご飯を食べ、斜め前では夢汰がサラダを食べている。
隣を見ればかーさんも食べていた。


悠「おにぎりに飲むヨーグルト・・・!」
紅夜「うめぇ」


悠ちゃんが何を思ったのかガタッと立ち上がる。
そして自分の荷物の場所まで行くと何やらガサゴソ探し始めた。

メロンパンを持って帰ってきた!


「センパーイ、楽譜印刷してきますか?」
紅夜「あ、行ってきて。1年連れて行って印刷教えて」
「はーい!」
紅夜「ちゃんと練習前には帰ってくるのよー」
「はーい!」


これだからお母さんって呼ばれるんだろうなぁ。
でも「気をつけて事故るのよー」って言う時もあるから愛が怖い。


悠「さぁ、会議をしようか」
がわこ「久々だね」
夢汰「待って、サラダ食べてから」
悠「私のメロンパン、お昼ご飯なんだよねぇ」
がわこ「なら何で食べ始めたの」

夢汰「何について会議?」
悠「何がいい?」
がわこ「え?」
悠「むっしゃー」
がわこ「え?」
紅夜「ん?」
夢汰「え?」
がわこ「会話になっていない」


会議をしようとは言ったのはいいけどね。
特に議題を考えてなかったらしい。
まずは何について話し合うかを考えるところから決めなくては。


がわこ「夏休みはSOMYレンジャーは活動するのか、とか」
悠「しない」
夢汰「やんない」
紅夜「え、面倒」


\活動、しません/


せっかく言った議題は終わった。


―――バアアアアンッ


「やあ!皆の者!」


あまりにも強く開いたため、反動でドアが閉まった。
こんなんやる人いたよ。
前に見たけど同じ人じゃない。
姿は見えなかったけど解ってしまった。


紅夜「はーい、個人練やってー」
悠「合奏にしようよ!眠くなるから!」
紅夜「じゃあ合奏後にできなかったのを個人練ね」
がわこ「津軽海峡やりたい」
夢汰「男はつらいよやるんでしょ」


休憩を終えて何も無かったかの様に自分の席につく4人。
後輩が少し戸惑っているけど「合奏やるよ」っと言われて動き出す。
メトロノームを設置し、それぞれの席について楽器を構える。


「おい!」
紅夜「すみません、今から合奏なのであとにしてください」

「俺だって!」
悠「俺だって俺、俺だよ俺!」

「お前ら、わかってんだろ!」
がわこ「マルフォーイ!」
「マルフォーイじゃねぇし!」

夢汰「パンツ」
「パンツじゃねーよッ!」


夢汰「あれ、なんでパンツって言ったんだろう」
悠「え、無意識怖」
がわこ「病院いけ」
紅夜「やるよー」


夢汰は病院にでも行ってもらおう。
診断書を出すまで部活停止だねっ!
とりあえず合奏を始めようとする。
すると後ろで地団駄を踏んだりドアを叩いたりと暴れている音がする。
ちょ、うるさい。
近くにいるパーカスの子が困ってるよ。


紅夜「・・・何、橋本、何」
橋本「生徒会長が来てやったんだぞ?」

悠「轢かれた鳥のポーズ!」
がわこ「死んでた猫のポーズ!」
夢汰「えぇ・・・」

橋本「俺にも楽器やらせろ!」
がわこ「何言い出すんだこの人」


面倒だという顔をしたまま橋本を見る。


夢汰「今から真面目に合奏やろうとしてる部活に、楽器やらせろだって?」
紅夜「そんな面倒な」
がわこ「しかも何で夏休みにきたの」
悠「吹奏楽部でも無いのに」

紅夜「はい、合奏いきまーす」
「はーい」

橋本「おい、俺は?!」
悠「カーッ、ってやっといて」
夢汰「ヴィブスラップって言って!」


カァァァァァッ













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