SOMYと転校生



あら、ご機嫌麗しゅう。
雛志悠なんですけどね。


只今担任が来て朝のSHR中。
今週あることとか提出物とか何か言ってる。

私のとこの担任の特徴。
近日ある事を紙にまとめて黒板に貼っといてくれる。
これだから話を聞かなかくても大丈夫なんだよ!


私らのクラスは全員で19人。
最も少ないコースのビジネスとデザインが合体したクラスだからね。
ちなみに私を含めてSOMYはビジネスコースだよ☆ミ
すっごい後悔してる。

それはともかくなんだ。

私達のクラスの特徴は全クラスで最も少ない人数だってのにだよ!
1番遅刻が多いんですね・・・!
でも帰りのSHRには全員揃うのが特徴だよっ!


でだよ。
ホントにそれはともかくでね。


「そういえば、今日から1人増えることになった」


って担任が言い出した。
もうクラス中が一時停止したよね。
今後ろに立ってる副担さえ止まったんだけど!


夢汰「・・・え、先生、え?」
悠「転校生ってことでしょ?」
紅夜「・・・」
がわこ「かーさん起きてえええええ」


前でガタガタガタッと隊長の椅子を揺らすがわ。
伏せて寝ていた隊長からガンッと音がした。
多分頭をぶつけて嫌々ながらも隊長が起きた。
伏せた状態だけど。


夢汰「転校生だって」
紅夜「・・・へぇ(でこ痛い)」
がわこ「この時期にだよ」
悠「がわ、お菓子しまいなさい」
がわこ「悠ちゃんもゲームしまって」


どうやらバレていたようだ。
私はやっていたぷよぷよを一時停止させる。
がわはお菓子食べ続けてるけどね!



「入ってこーい」


担任がドアに向けていう。
ガラガラっとドアが開いて生徒の注目が向く。



「がわっ、さあああああああん!」


ゆっくり開いたと思ったドアはバァンッ!と音がするほど開く。
勢いが良すぎた。
あまりにも勢い良く開けたものでドアは跳ね返り、ピシャンッと閉まった。


悠「ワロタ」
紅夜「(今の声、聞いたことある気が・・・)」
夢汰「衝撃的な・・・」

がわこ「え、呼ばれたんだけど」


閉まったドアを見て担任が呆れ顔。
クラス中が何だ何だとしか思えなかった。



「閉まるって可笑しいやろッ!」



再びバァンッと開けて入ってくる女。
ズカズカと入ってきて教卓の隣に並ぶ。

ブレザーの下には白のパーカー。
崩してつけたネクタイ。
耳にはピアスが見られる。
しかも髪の色が金髪!


チャラい・・・。


そのチャライ転校生は教室を見渡す。
そして窓側の列、つまり私達SOMYの座る列を見て目を見開いた。



「がわさん!がわさんやろ!なぁ!がわさん!」



転校生は私の前に座るがわを指す。
ズカズカとがわの席まで来て連呼しだした。
がわはおどおどして頭で整理が出来てない様子。


がわこ「え、え」
「やっぱりがわさんや!ワシわざわざ兵庫から来たんやで!」
がわこ「…はぁ?」
「何や反応薄いなー!あ、ママもおるやん!」
紅夜「どーも」

夢汰「母さん、伏せっぱなしじゃん。転校生見てないでしょ」
紅夜「そんなことない」


ハイテンションの転校生はがわに向かったガンガン話しかける。
隊長にも目を向けたが直ぐに会話は終わった。


「がわさん!がわさん!」
がわこ「なんでしょう」
「あ、もしかしてワシがわからんの?なぁなぁ!」
がわこ「ちょ、分かってるから!何で来たの」
「愛するがわさんい会いたかったから、来てもうた☆」
がわこ「帰れ」
「ちょ、真顔やめて!がわさん遊ぼう!」
がわこ「唐突過ぎるよ。ちょっと首貸して、上に持ち上げるから」
「やった!がわさんの他界他ー界!って死んでしまうやろ!」
がわこ「誰が高いたかーいを上手く言えと」
「あっ、白いセーターなん?ワシ白いパーカーやねん、お揃いやなー!」


がわさんがわさんっと騒いで注目されている。
本人はそれに気がついてない様で騒ぎ続けるだけ。


げほんっ


担任の咳払いで転校生が騒ぐのをピタッと止めた。
転校生に目を向けていた私達も担任を見る。


「転校生、自己紹介しろと言ったよな?」


ご機嫌とは言えない担任の雰囲気に教室が静まった。
入ってきて自己紹介もせず、勝手にがわと喋ってればこの担任が怒らないわけがなかった。
転校生はあまりよく解ってないらしくキョロキョロしてるだけ。


悠「がわ、やばいぞ」
がわこ「・・・組長がお怒りになる前に自己紹介してきて」
「・・・?おぉう?」


転校生解ってないながらも教壇に上がり、黒板に名前を書く。



「兵庫からきました、『牙瑠(がる)』っていいます。ビジュアル系とがわさんが好きです、よろしゅう!」



紅夜「誰かと思ったら牙瑠さんか」
悠「隊長、さっきどーもって言ってたじゃん」
紅夜「適当だった」
夢汰「雛志、ゲーム見えてるよ」
悠「やっべっ!」


自己紹介をした牙瑠さんはどうするべきなのか担任の方を向く。
担任は「もういいのか?」っと聞く。
まだ紹介してもいいというが、緊張して言えないんじゃない?
そう思って見てれば牙瑠さんが口を開いた。


「んじゃ、もーちょい紹介。ワシとがわさんはネットで知り合ってな。ママとは某SNSサイトでがわさんと通じて繋がったんや。んで、がわさんったらいつもワシにツンツンしとってツンデレで困るんやけどたまーにくるデレと構ってちゃんがm」

「SHR終わるぞー」


紹介じゃなくてがわさんについて語りだした牙瑠さん。
担任がもう適当な扱いをしてるよ。
ちょっとゲッソリしてきてるよ担任。


牙瑠「え、ちょ、センセー、ワシの席は?」
「あ、席な、席」
牙瑠「もちろんがわさんのお隣やろ?あーもうホンマありがとうセンセ!」
「廊下側の1番前だよ」
牙瑠「おうふっ」


SHRを終わらせた。













bkm
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