はい、おひさしぶりっ!
って程でもないんだよね、はい。
どーも、長門夢汰です。
ベッド前にて正座している母さんと雛志。
元々正座をあまりしないから久々の正座で足が堪えている様。
そんな2人の前にはニコニコと笑顔を絶やさない海月ちゃんがベッドに座っていた。
もう魔王かのような笑顔なんだよね。
少し離れたとこでパイプ椅子に座るオレと塩宮。
近づいたらアウトだからね。
マジ巻き添えとか嫌なんだけど。
桐城「どうやったら迷うの。馬鹿なの?」
悠「死にません」
がわこ「それは言ってないよ」
悠「このパターンって普通に考えてそうなんだよ」
そう言えば雛志が海月ちゃんに叩かれていた。
相変わらず笑顔なのがこわいんだよね。
直ぐにスミマセンデシタっと謝ってるけど。
紅夜「方向音痴なんだもん」
悠「ゲームが楽しいんだもん」
もん、じゃないよ。
雛志にはブームのゲームがあるらしい。
暇さえあればゲーム、移動中でもゲーム。
ゲームしてるのはいつもなんだけどね。
更に熱中してるんだよね。
そんな雛志と母さんは病院でも迷ってしまった。
桐城「まったく、SOMYレンジャーなのに」
夢汰「まともなことしてないっすよ」
がわこ「かーさんが依頼断るしねw」
その言葉を聞くと海月ちゃんが母さんを見る。
相変わらずの笑顔なんだよね。
何余計なこと言ってんだっと言うかのようにオレを見てきた。
はいはい、無視無視。
紅夜「夢汰、お前、5歩歩いたら死ぬよ」
悠「死ぬ直前でテヘペロ☆」
紅夜「ちゅどーん」
悠「やめろソイツは影武者だ」
紅夜「俺達は後ろを振り向かない」
悠「完ッ!」
桐城「病人の前で死ぬとか言うか」
紅夜「現実から逃げたいんです」
夢汰「ってかオレ死んだ」
なんかとてもいい流れで殺されてた。
もう母さんには足の感覚が無いらしい。
雛志はまだまだ余裕の表情。
海月ちゃんはそれでも正座をやめさせることが無い。
悠「竹屋の竹やぶに竹立てかけたのは竹かけたかったから竹かけた」
紅夜「竹屋の竹やぶに竹たけたけ・・・」
キッチリと言い切った雛志。
急に言い出したからちょっと心配になる。
噛んだっと現実逃避をし始める母さんは曇っている空を見て「今日もいい天気だ」っと言い始めた。
塩宮に笑われたので履いてた靴を投げてた。
ノリで雛志もオレに投げてきた。
ちょ、あぶねっ!
正座させられている八つ当たりだろうけどさ!
紅夜「ってか元気だろ」
桐城「ん?」
紅夜「…(この人怖い)」
たった一言しか言ってない海月ちゃん。
それでも笑顔が怖かったのか母さんが黙る。
となりでは雛志のもう片方の靴が塩宮に飛んだ。
病室に入ってから笑顔しか見ていない。
それを含めて怖い。
正座しているだけでも辛い母さんはなるべく早く終わらせたい。
悠は正座は平気らしく普通に座っているだけ。
流石に慣れていないので疲れてきているみたいだけど。
がわこ「桐城さん、思ったよりも元気そうで」
桐城「そりゃ風邪拗らせただけだもん」
夢汰「え、風邪?」
桐城「拗らせたの」
まさかの風邪を拗らせて入院!
副会長がそんなんで良いのかと思ったが口には出せなかった。
出したらこちらまで正座かもだし。
オレは我慢。
あ、っとパイプ椅子に座るオレらに目を向けられる。
もうそれだけでビビった。
桐城「お見舞い品は?」
夢汰「…え?」
桐城「あるでしょ?」
当然の様に言うけどさ。
もちろん見舞いの物は何1つ持っていない。
強いていえば雛志のゲームがあると思い、チラッとゲームを見る。
何か伝わってしまったのか雛志がゲームを抱える。
ですよね、駄目ですよね。
桐城「ベタな果物の詰め合わせとか良いよね」
がわこ「ベッタベタ」
桐城「あるよね?」
夢汰「いや〜…」
桐城「無いの?」
朝学校に言ったら校長にすぐに行くようにと言われたのを伝えれば「…しょうがないな」っと笑う。
今回は許してくれるらしい。
思わずありがとうございますっと頭を下げた。
悠「海月さん、そろそろ正座辞めたい」
紅夜「・・・ッ」
がわこ「かーさんが無言で堪えてるよ」
未だに正座してる母さんと雛志。
雛志はまだ余裕らしい。
母さんは下を向いて足の痺れと格闘中。
悠「何が1番辛いですか」
紅夜「足」
即答した。
桐城「もうちょっと正座しててね」
夢汰「うわ、鬼」
桐城「何、2人とも正座する?」
がわこ「スンマセンシタ」
言ったのはオレなのに塩宮が謝った。
そんなにか、そんなにか。
でも確かに嫌なんだよ。
正座は平気かもしれないけど堅い床は少し辛い。
ふぅっと海月ちゃんが近くに置いてある携帯を取り慣れた手つきで操作する。
え、病室で携帯?
病院だというのも構わないらしい。
「あ、てっちゃん。私明日から学校行くから」
突然のカミングアウト!
bkm