SOMYと先輩




SOMYレンジャーはいつも通り。
自主的睡眠学習や廊下を走ったり。
授業中に絵を描いたり遅刻したり重力に耐え切れずに机に伏せたり奇声あげたり。
またはプリントに落書きしたり現実逃避したり。

何も変わり無く、多分平和に過ごしている。

はいはい、どーも。
こんにちは長門夢汰さんです。


悠「グザッ!」
紅夜「ズブグサッ!」


ドアを開けたら雛志にパンチをされ、母さんに指で刺された。
痛い、地味に痛い。
あまりに突然でどう反応していいか解らない。


夢汰「・・・何してんの」


反応できなかった。

すると2人は手を引っ込めて不満そうな顔をする。
いや、ビックリして反応できなかったんだよ。

オレが担任に職員室に呼ばれてる間に何があったんだろう。
担任に自販機の部品をバラバラにしたのを怒られている間に。
オレ意外にも自販機蹴ってる人居るって言っても怒られた。
他所は他所なんだってさ。
あんたの生徒よ。


紅夜「何って依頼じゃんよ」
悠「依頼だよ依頼」


え、オレを叩くのが依頼なのか。

そう思いながらジッと見てれば2人が自分の前髪を指す。
2人の髪の違和感に気がつく。
いつもの髪型なのに、髪の一部には違う色が混ざっている。
そんな母さんと雛志が自然に、何語とも無いかのようにしている。


悠「隊長が珍しく拒否らなかった依頼だよ」
紅夜「ガンプラに忙しいの」
悠「私だってゲーム!」
紅夜「おま、ゲームやりながら依頼してたじゃん」
悠「ガンプラしながら依頼やればいいんだよ!」
紅夜「無理だわ」


断らなかったのは本当に珍しい。
本当に本当に珍しい。

どんな人が依頼にきたのって聞けば雛志が指す。
そっちを見れば良くお世話になった人と塩宮がいた。



去年お世話になった先輩だ。



夢汰「メッシュかぁ」


今回の依頼はメッシュの試し。
只今塩宮の頭にメッシュをやられている。
大人しく椅子に座り、お菓子を食べている。

既に試しをやられた赤いメッシュの入った母さん。
普段の青いメッシュと先輩が試したメッシュの入った雛志の前髪。


紅夜「ってことで夢汰も強制参加な」
悠「センパーイ、夢汰来ましたよ」


先輩はわざわざSOMYがあるとわざわざ学校まで来てくれたらしい。
メッシュの試しをするなら後輩だろう。
実験台ならSOMYレンジャーだろってことで依頼しに来たらしい。
それにメッシュなら雛志が詳しい。

拒否らなかった依頼ではなくて断れなかった。
拒否れなかった依頼。
母さんでも一応先輩には断りづらいらしい。


がわこ「凄いなぁ、メッシュだ!」
夢汰「テンション高いなぁ」
がわこ「初だよ、お初」


白のメッシュが2つ入った塩宮。
ガタッと立ちあがって部屋を走り出す。
髪をなびかせてシャララランッとはしゃいでいる。

先輩に塩宮の居た席に座らせられる。
次の実験台として。


「長門ちゃんは何色にしようかな」
紅夜「金が良いっすよ」
悠「そこはあえての水玉で」
がわこ「え、メッシュの水玉って何」
夢汰「普通で良いじゃん!」
「紫かなぁ」


一部だけ染めるメッシュを母さんと悠。
エクステ型のメッシュをがわことオレは2種類やっていた。
うん、オレもこれからやるんだって。


夢汰「コレ教師に見つかったら校則違反ですよね」
「SOMYレンジャーなんでしょ?大丈夫よ」
夢汰「何を根拠に言ってるか解らないです」
「大丈夫よね」
悠「大丈夫だよ!」
がわこ「悠ちゃん、いつもメッシュで引っかかるよね」


黙るしかなかった。
だって先輩が素敵な笑顔だったから。


紅夜「俺がルールだ」
「紅夜ちゃん?」
紅夜「スミマセンデシタ」

悠「責任は先輩持ちっすね!」
「悠ちゃん?」
悠「スミマセンデシタ」


「責任はがわちゃんに決まってるでしょ」
がわこ「ちょ、先輩!?」


それは良いっすね!っと先輩の案に簡単にのる雛志。
先輩が最強すぎてオレらSOMYは逆らえない。
多分先生よりも逆らえない。
でも一番は我が吹奏楽の顧問が最強。


がわこ「何か違和感あるねw」
紅夜「アンテナの?」
がわこ「アンテナ言うな!」
悠「触角の?」
がわこ「触角言うな」


紅夜と雛志にはアンテナにも触角にも見えるメッシュ。
なにせ2本あるからね。
オレにも触覚にみえる。
けどオレにもやられてるんだその触覚。


夢汰「髪の毛!」
「静かにしなさい」

悠「引っこ抜くわよ☆」
夢汰「何で雛志が」
悠「出来心よ☆」

がわこ「キラッ☆」
「がわちゃん、それは超時空シンデレラしかやっちゃいけないんだよ・・・!」
がわこ「実は私…」
悠「逮捕ッ!」


携帯を取り出して電話をする。
ホントにされるのかと思い塩宮が慌てて取り上げるが画面は待ち受け画面だった。
騙されてる。


悠「通報しました」
夢汰「つーほー」
がわこ「K察です!」


――だらガッシャーンッ!!!


意味の解らない言葉を言いながら雛志が塩宮に突っ込んで行き、携帯を奪い返す。
その光景を母さんが写真を撮る。

いつもの風景、いつもの風景。
通常運転だから仕方がない。


「よし、出来た!」
紅夜「通報ですかー?」
「違うわ」

夢汰「先輩上手いっすね」
「夢汰ちゃんの前に3人も実験台が居たからね」


実験台の3人をチラッとみる。

その3人はせっかくのメッシュなので写真を撮っていた。
実験台だと言われたことも知らないで。


「それじゃ、私は帰るんで」


またねっと先輩が部屋から出ていく。
メッシュ外してくれないんだっと思ったが先輩なので喉まで出たが抑える。


紅夜「…メッシュ邪魔なんだけど」
悠「同じく」


何か違う色で気になるらしく。
前髪にある紅夜と雛志にはチラチラするらしい。



2人が色の違う部分を掴んだ。



―――ブチブチブチッ!


夢汰「ちょ、は?何してんの!?」
がわこ「え!?」


2人はどや顔でウィッグを取った。

ほんと騙された。













bkm
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -