SOMYと出版委員長



オハヨウゴザイマス、大月紅夜です。

眠たいと訴えてる体を無理矢理動かしての登校を終えた私。
眠い、とにかく眠い。

登校までは一緒だった雛志は今は居ない。
飲み物を買いたいって自販に行っている。
私は眠いから自分のクラスに直行。
クラスに着いたら寝ると決めていたので迷うことなく自分の席に座る。
机に鞄を置いて枕代わりにする。



「おはようございます、姐さん」



寝ようと伏せた瞬間。
見計らったかのようなタイミングで変な挨拶をされた。
多分、見計らってた。

私は嫌々と顔を上げる。


紅夜「・・・おはよう大崎」
大崎「おはようございます!」
紅夜「何で敬語。テンションうざ」
大崎「だって姐さん学級委員長って偉い人づし。がわさん達にかーさんって呼ばれてるし」


大崎淳平。
普段からしている“出版委員”と書かれた腕章が最初に目につく。
次にニヤニヤと腹が立つ笑みが嫌でも目につく。

私のクラスの出版委員で、委員長を務める。
出版委員だからか、コイツだからなのか情報が好きで、常にカメラを持ち歩いている。
そして私を「姐さん」と呼んでくる変人。
地味に頭がキレるから厄介な人でもある。


紅夜「私眠たいんだ」
大崎「知ってる」
紅夜「だろうね」
大崎「ところで姐さん、SOMYレンジャーってのやってんでしょ?」


嫌味なコイツが話しかけてきた時からね。
何かしらの情報が欲しいんだとわかっていたけどさ。
まさか自分達意外からSOMYというのを聞くとは思わなかったよね。
黙っているのを固定と取った様だ。
いつの間にか大崎の手にはメモ帳とペンがあり、情報をくれって言いたいのがわかる。


大崎「お願いしやす」
紅夜「SOMYをどこで知ったのかと、カフェオレでいいよ」

悠「ごめん隊長!!私だ!」


大崎と会話しているところに雛志がヒョコッと出てきた。
手にはいろはすが握られている。


大崎「おはよう雛志」
悠「おはよー」

紅夜「何なのお前、何なのお前ら」

悠「挨拶は人として常識だよ!」
大崎「そっか、姐さんは人じゃなかったか・・・」


正直、手を出していいなら出したかった。
もちろんグーで。
今思うすべての感情をぶつけられる自信があんのに。


紅夜「ってか、まさかの身内が拡めたんか」
悠「SOMYを拡げようとね!」
紅夜「まさかの身内…」
悠「やめろよ!2度も言うな!変な罪悪感がくるだろ!」


雛志は地団駄を踏んで訴えてくる。
それだけでも面白いのに、地団駄と同時にいろはすをジャカジャカと振ってる。
水だからいいものを、炭酸だったらどうするんだよ。
雛志は見ていて飽きない。
けどスイッチが入ったコイツは五月蝿い。


大崎「情報提供しろよー!」
紅夜「雛志にしてもらって」
悠「え、何で。大崎、どこまで知ってんの?」
大崎「SOMYの結成は4月でメンバーが同じクラスのお前らってとこ」
悠「ほぼ全部だよ」
大崎「何で?!」


いや、何でっと言われてもね。
結成したばかりだし。
そんなに日も経っていないから何もしていない。


夢汰「おはよー」

がわこ「やあ」


ガサガサと袋の音と後ろから抱き着かれたことで気がつく。
夢汰だ。

振り返れば袋を振り回すがわさんも居た。
私らの1つあとの電車で来る夢汰と歩くのが遅いがわさん。
2人してコンビニに行ってきたらしい。
がわさんはまた塩分が入ってるものを買ったに違いない。
こう言うと「そんなに塩摂取してない!」って言われそう。


大崎「おはよう、がわさんと長門」
夢汰「あれ、大崎だ」
がわこ「何でいるの大崎」
大崎「俺もこのクラスの住民なんだけど!」
夢汰「知ってるよ」

大崎「ってかSOMY揃ってんじゃん!」


サッとメモ帳とペンを構えた。
いつでもメモが出来る様にしてるんだろうな。
いつでも情報くれとばかりに、期待する目だった。

そういえば大崎はSOMYの情報を求めてきたんだった。
話が脱線し過ぎて自分では思い出せなかった。
ってから眠たい。


がわこ「すみません、秘密組織なので」
夢汰「お引き取りください」
悠「秘密組織だったの?」
紅夜「言ってなかったっけ、秘密組織だから」
悠「聞いてない」
夢汰「え、ホントに秘密組織なの?」
紅夜「まぁ言ってないし私も知らない」


大崎「情報くれよおおおおおおおお」


紅夜「無いって」
悠「仕事も無いよ!」
がわこ「何していいか解らないし」
夢汰「一昨日来なよ」












bkm
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